14.相似 数学の勉強部屋
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相似というのは、「同じ形」という意味で考えてもらえばよいと思います。合同から、大きさの部分を除いたものという感じです。ただ、問題の中身は、かなり違います。
まず、覚えてもらいたいことは、やはり1つだけです。(ここでも、三角形にしぼって、お話しします。)相似であるというための条件は、いくつかあるのですが、必要なのは、「2つの角度が等しければ相似」ということです。 本当は、三角形である以上、3つの角度ということになるのですが、3つあるうち、2つが同じだったら、残る1つも自動的に同じということになります。
相似の問題では、相似形を探すという作業がポイントになります。その際に、同じ角度を2つ見つければよいわけですから、「12.角度」の内容を結構使うことになります。 特に、「平行線」は重要です。私自身、「相似形を探すときには、平行線を探せ」と言うことがよくあります。
実際の問題では、「相似であることを証明せよ」というタイプではなく、「相似比を使って長さを求める」というものが多くなっています。
それでは、具体的に問題を見てみましょう。
問題演習その1
解答・解説
@「長さ」には、「三平方」か「相似」です。
この場合には、三平方は使えそうにありませんから、
「相似」でほぼ決まりです。
相似の場合には、まず相似形を探すことから始まります。
平行線がありますから、錯角が使えそうです。
∠ACD=∠BDC(錯角)
∠CAB=∠DBA(錯角)
以上から、△AOC∽△BOD(∽は、相似を表す記号です。)
アルファベットの順番に注意してください。
求めたいOCをXとすると、
X:5(OD)=9(AC):6(DB)
6X=45
X=15/2
答え:AC=15/2(または、7.5)cm
Aここでは、平行線がありませんが、問題文に
∠ABC=∠AEDとありますから、素直に使いましょう。
∠Aは共通
∠ABC=∠AED(条件より)
よって、△ABC∽△AED
アルファベットの順番に注意してください。
求めたいECをXとすると、
(5+X):4=10:5
(5+X)はAC、4はAD、10はAB、5はAEです。
△ABC∽△AEDより、AC(△ABC)に対応するのは、AD(△AED)
同様に、AB(△ABC)に対応するのは、AE(△AED)です。
5(5+X)=40
これを解くと、X=3
答え:EC=3cm
問題演習その2
解答・解説
Bこのようなケース(大きな三角形の中に小さな三角形があり、底辺が平行)では、迷うことなく相似です。
ただ気をつけてほしいのは、あくまで△ABC∽△ADEということです。
要するに、問題文に、AB=6cm、BD=2cmとあるからといっても、
相似比は、6:2ではなくて、6(AB):8(AD)=3:4ということです。
求めたいDEをXとすると、
9:X=3:4
3X=36
X=12
答え:DE=12cm
Cこの問題は、意外とやっかいなものです。
相似になっている組合せが、いくつかあるからです。
△ABC∽△DCE・・・(1)
△BCF∽△BED・・・(2)
△DCF∽△DAB・・・(3)
この中で、求めたいCFが含まれているのは、(2)(3)なのですが、
(2)だけ、あるいは(3)だけでは、解くことができません。
ということで、まず△ABCと△DCEに注目してください。
とりあえず、他の部分は無視してください。(目障りですけど。)
相似比は、4:6=2:3です。
よって、CB:CE=2:3となります。
これは、BC:CE=2:3としても同じです。
続いて、今度は△BCFと△BEDに注目してください。
(頭の切り換えをお願いします。)
BC:CE=2:3でしたから、
BC:BE=2:5 となります。
よって、△BCFと△BEDの相似比は、2:5です。
求めたいCFをXとすると、
X:6=2:5
5X=12
X=12/5(あるいは、2.4)
答え:12/5(あるいは、2.4)cm
この問題は、全体をながめていると、わけがわからなくなると思います。
「長さ」の問題だから、「三平方」か「相似」。
ここでは、「三平方」は使えそうにないから「相似」。
「相似」だったら、とにかく相似形を探す(見つける)。
そういう考え方で、アプローチしたほうがよさそうです。
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