15.三平方の定理
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 三平方の定理は、主に「長さ」を求める場合に使うことの多いものです。
覚えることは、あまりありませんから、気持ちを楽にしてお読みください。

<三平方の定理>
直角三角形で、斜辺をa、他の2辺をb、cとした場合
@a=b+c  下図の@

直角三角形で、直角以外の角が45°である場合
A3つの辺の比は、1:1:√2  下図のA

直角三角形で、直角以外の角が30°、60°である場合
A3つの辺の比は、1:2:√3  下図のB
上記の内容を図にしてあるだけです。参考書などで確認しておいてください。



基本問題演習その1
@〜Dは、すべて、ABを斜辺とする直角三角形です。
@AC=3cm、BC=4cmのときABの長さを求めよ。

AAC=5cm、BC=12cmのとき、ABの長さを求めよ。

BAC=1cm、BC=3cmのとき、ABの長さを求めよ。

CAB=5√2cm、BC=7cmのとき、ACの長さを求めよ。

DAB=7cm、BC=5cmのとき、ACの長さを求めよ。

E2点(2,3)(5,7)の距離を求めよ。

F2点(1,4)(4,7)の距離を求めよ。



解答・解説
@AB=Xとすると、ABは斜辺ですから、
 X=3+4
 X=25
 X=±√25
 X=±5
 X=5(長さなので、X>0)
 答え:5cm

AAB=Xとすると、ABは斜辺ですから、
 X=5+12
 X=169
 X=±√169
 X=±13
 X=13(長さなので、X>0)
 答え:13cm

BAB=Xとすると、ABは斜辺ですから、
 X=1+3
 X=10
 X=±√10
 X=√10(長さなので、X>0)
 答え:√10cm

CAC=Xとすると、ACは斜辺ではありませんから、
 X+7=(5√2)
 X=1
 X=±√1
 X=±1
 X=1(長さなので、X>0)
 答え:1cm

DAC=Xとすると、ACは斜辺ではありませんから、
 X+5=7
 X=24
 X=±√24
 X=±2√6
 X=2√6(長さなので、X>0)
 答え:2√6cm

E2点間の距離をXとすると、
 Xを斜辺とする直角三角形を考えることができます。
この場合、他の2辺の長さは、それぞれ、
 X座標の差、Y座標の差として求められます。
よって、他の2辺の長さは、3(=5−2)、4(=7−3)です。

 X=3+4
 X=25
 X=±√25
 X=±5
 X=5(長さなので、X>0)
 答え:5

Fこの問題も同様に、2点間の距離をXとすると、
 Xを斜辺とする直角三角形を考えることができます。
この場合、他の2辺の長さは、それぞれ、
 X座標の差、Y座標の差として求められます。
よって、他の2辺の長さは、3(=4−1)、3(=7−4)です。

 X=3+3
 X=18
 X=±√18
 X=±3√2
 X=3√2(長さなので、X>0)
 答え:3√2



基本問題演習その2
@〜Bは、すべて、ABを斜辺とする直角三角形です。
@∠ABC=30°、AC=3cmのとき、ABの長さを求めよ。
 ただし、BC>ACとする。

A∠ABC=45°、AB=4cmのとき、ACの長さを求めよ。

B∠ABC=60°、AB=6cmのとき、ACの長さを求めよ。
 ただし、BC<ACとする。



解答・解説
@ここでは、1:2:√3 を使います。
 ABをXとすると、Xは2に該当します。(斜辺は一番長いので。)
 BC>ACより、
 BCは√3に、ACは1に該当します。
よって、
 X:3=2:1
 X=6
 答え:6cm

Aここでは、1:1:√2 を使います。
 ACをXとすると、Xは1に該当します。(斜辺ではないので。)
 ABは、√2に該当します。
よって、
 X:4=1:√2
 X=2√2
 答え:2√2cm

Bここでは、1:2:√3 を使います。
 ACをXとすると、Xは√3に該当します。(BC<ACより)
 ABは、2に該当します。(斜辺ですから。)
よって、
 X:6=√3:2
 X=3√3
 答え:3√3cm



問題演習
問題@とAの図です。

@上記の図において、AD=5cm、CD=1cm、DB=4cmのとき、
 ABの長さを求めよ。

A上記の図において、AC=6cm、BC=3cm、∠BCA=135°のとき、
 △ABCの面積を求めよ。

B底面の半径が5cm、母線の長さが13cmの円すいの体積を求めよ。

C面積が9cmの正方形の、対角線の長さを求めよ。

D1辺が8cmの正三角形の、面積を求めよ。



解答・解説
@ABの長さを求めるには、ACとBCの長さが必要です。
 BCは、CD+DBですから、5cm(=1+4)です。
 ACは?

うまい具合に、△ACDは直角三角形で、
AD=5cm、CD=1cmと長さもわかってます。
まず、ACを求めましょう。(ACをXとします。)
 X+1=5
 X=24
 X=±√24
 X=±2√6
 X=2√6 (長さなので、X>0)
よって、ACは、2√6cm

もとに戻って、今度は△ABCに注目です。
ここでは、ABをXとします。
 X=(2√6)+5
 X=49
 X=±√49
 X=±7
 X=7 (長さなので、X>0)
よって、ABは7cm これが、答えになります。


A三角形の面積ですから、底辺と高さが必要です。
 底辺は、BCで長さもわかりますが、
 高さについては、下の図のADが該当します。
 「底辺と高さは直交」が原則ですから、
 ∠ADC=90°、そして、
 ∠ACD=45°(直線180°−∠BCA)
Aの図に、高さを加えたものです。

ADをXとすると、1:1:√2の1に該当します。
ACは、1:1:√2の√2に該当します。
 X:6=1:√2
 √2X=6
 X=3√2
よって、AD(高さ)は、3√2cm
△ABCの面積は、
 3×3√2÷2=9√2/2 cm


B円すいの体積を求めるためには、
 底面積と高さが必要です。

「底面積」
底面は、円ですから、半径×半径×π
よって、5×5×π=25π

「高さ」
高さも長さですから、三平方の定理で求めます。
母線と、底面の円の半径と、高さとで
直角三角形が構成されます。(母線が斜辺になります。)
それぞれ、13cm、5cm、Xcmとすると、
 X+5=13
これを解くと、
 X=12

「円すいの体積」
必要なものがそろいましたから、体積を求めます。
 25π×12÷3=100π
 答え:100π cm


C面積が、9cmの正方形ということは、
1辺が、3cmということです。
対角線を斜辺とする直角三角形を考えると、
 X=3+3 (斜辺がXです。)
これを解くと、
 X=3√2
 答え:3√2cm
(正方形に対角線をひくと、1:1;√2の直角三角形ができます。
 もちろん、こちらのパターンで解いてもかまいません。)


D正三角形の3つの角度は、すべて60°ですから、
 1:2:√3が使いやすい形になっています。

底辺のちょうど真中から、頂点に向かって直線をひくと、
それが、「高さ」になります。
底辺の半分と、高さと、斜辺とで直角三角形ができます。

 ここで、底辺の半分は、1:2:√3の1にあたります。
 高さは、1:2:√3の√3にあたります。

高さをXとすると、X:4=√3:1
これを解くと、X=4√3

聞かれていたのは、正三角形の面積ですから、
 8×4√3÷2=16√3
 答え:16√3 cm


 思っていたよりも、長くなってしまいました。^^;

 ここで補足ですが、「長さ」を聞かれている場合には、
「三平方の定理」か「相似(比)」で、対処できるケースがほとんどです。
(覚えておくと、けっこう役に立ちます。)


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