16.確率
数学の勉強部屋
確率というのは、
というのを求めることです。
その他に、「その条件では何通り」というのを求めるだけの「場合の数」というものも、この分野の一部です。
ちょっと、抽象的でわかりにくいと思いますので、具体的にみていきましょう。
以下は、確率で良く出てくるものの具体例です。
サイコロ: | 1個・1回 | 6通り |
2個・2回 | 6×6=36通り |
3個・3回 | 6×6×6=216通り |
コイン: | 1枚・1回 | 2通り |
2枚・2回 | 2×2=4通り |
3枚・3回 | 2×2×2=8通り |
カード: | @3枚の場合 | 1枚ひく | 3通り |
2枚ひく | 3×2=6通り |
3枚ひく | 3×2×1=6通り |
A4枚の場合 | 1枚ひく | 4通り |
2枚ひく | 4×3=12通り |
3枚ひく | 4×3×2=24通り |
4枚ひく | 4×3×2×1=24通り |
玉の確率:条件の玉の個数/全部の個数
<例>
袋に、赤玉3個、青玉2個、白玉1個入っている。
玉を1個取るとき、それが青玉である確率を求めよ。
<解答>
全部で、3+2+1=6個
青玉は、2個。
確率は、2/6=1/3
人の場合:基本は、カードと同じ。ただし、順番は関係ないので、計算は大変。
では、問題演習をしながら、覚えていきましょう。
問題
1、大小2つのサイコロを同時に振った。
(1)出た目の和が9になる確率を求めよ。
(2)出た目の和が5の倍数になる確率を求めよ。
(3)出た目の和が6以下になる確率を求めよ。
解答・解説
(1)
2つのサイコロを振った場合、全部で36通り。
和が9になるのは、(3,6)(4,5)(5,4)(6,3)⇒4通り
確率は、4/36=1/9
(2)
和の範囲は、2〜12。その中で、5の倍数は、5と10。
和が5になるのは、(1,4)(2,3)(3,2)(4,1)⇒4通り
和が10になるのは、(4,6)(5,5)(6,4)⇒3通り
合計7通り
よって、確率は7/36
(3)
和が6になるのは、(1,5)(2,4)(3,3)(4,2)(5,1)⇒5通り
和が5になるのは、(1,4)(2,3)(3,2)(4,1)⇒4通り
和が4になるのは、(1,3)(2,2)(3,1)⇒3通り
和が3になるのは、(1,2)(2,1)⇒2通り
和が2になるのは、(1,1)⇒1通り
合計15通り
よって、確率は15/36=5/12
問題
2、コインを2枚同時に投げた。
(1)2枚とも裏が出る確率を求めよ。
(2)少なくとも、1枚は表が出る確率を求めよ。
解答・解説
(1)
コインを2枚投げた場合、全部で4通り。
(裏、裏)となるのは、1通り。
よって、確率は1/4
(2)
「少なくとも」の処理
:少なくとも、1枚は表が出る確率を求めよ、の場合。
@逆のことを考える
:1枚も表が出ない(=全部裏が出る)
Aその確率を計算する
:全部で4通り。
:2枚とも裏になるのは1通り。(裏、裏)
よって、確率は1/4
B1からその確率を引く。
:1−1/4=3/4 答え 3/4
「少なくとも」⇒1−逆の確率
問題
3、コインを3枚続けて投げた。
(1)3枚と表が出る確率を求めよ。
(2)少なくとも、1枚は裏が出る確率を求めよ。
解答・解説
(1)
コインを3枚投げた場合、全部で8通り。
(表、表、表)となるのは、1通り。
確率は1/8
(2)
「少なくとも」なので、1枚も裏が出ない(全部表が出る)確率を考える。
(1)より、1枚も裏が出ない確率は1/8
よって、1−1/8=7/8 答え7/8
問題
1、2、3の3枚のカードがある。2枚続けてカードを引き、順番に並べた。
(1)2けたの数字は全部で何通りできるか。
(2)偶数になる確率を求めよ。
解答・解説
(1)
6通り。(3×2=6)
(2)
出る数字は、12,13,21,23,31,32
偶数は、12,32(2通り)
よって、確率は、2/6=1/3
問題
1、2、3、4の4枚のカードがある。2枚続けてカードを引き、順番に並べた。
(1)2けたの数字は全部で何通りできるか。
(2)4の倍数になる確率を求めよ。
解答・解説
(1)
12通り。(4×3=12)
(2)
出る数字は、12,13,14,21,23,24,31,32,34,41,42,43
4の倍数は、12,24,32(3通り)
よって、確率は、3/12=1/4
問題
1、2、3、4の4枚のカードがある。3枚続けてカードを引き、順番に並べた。
(1)3けたの数字は全部で何通りできるか。
(2)300以上になる確率を求めよ。
解答・解説
(1)
24通り。(4×3×2=24)
(2)
300以上の数字は、312,314,321,324,341,342,
412,413,421,423,431,432(12通り)
よって、確率は、12/24=1/2
問題
袋の中に、赤玉2個、青玉4個、白玉6個が入っている。1つを取り出すとき、
(1)それが、白玉である確率を求めよ。
(2)それが、白玉あるいは青玉である確率を求めよ。
解答・解説
(1)
玉は全部で、2+4+6=12
白玉の個数は6
よって、確率は、6/12=1/2
(2)
白玉あるいは青玉 ということは、白玉でも青玉でもOKということ。
白玉と青玉の個数は、4+6=10
よって、確率は、10/12=5/6
問題
袋の中に、赤玉1個、白玉3個が入っている。1つを取り出し、すぐに戻す。
その後、もう一回玉を1つ取り出すとき、2回とも、白玉が出る確率を求めよ。
解答・解説
1回目の袋には、玉が4個。
2回目の袋にも、玉が4個。
玉の取りだし方は、全部で16通り。(4×4=16)
1回目の袋には、白玉が3個。
2回目の袋にも、白玉が3個。
白玉の取りだし方は、全部で9通り。(3×3=9)
よって、確率は、9/16
<別解>
1回目に白玉が出る確率は、3/4
2回目に白玉が出る確率は、3/4
2回とも白玉が出る確率は、3/4×3/4=9/16
特に説明はしませんが、こういう考え方もあります。
問題
5人の生徒A,B,C,D,Eがいる。
これらの中から、くじ引きで2人を選ぶ時、Aが選ばれる確率を求めよ。
解答・解説
「人」の場合は、要注意です。
数字の場合には、12と21は違う組合せですが、
人の場合には、例えば
「鈴木と佐藤」という組合せと「佐藤と鈴木」という組合せは、同じです。
これは、「順列」とか「組合せ」とかいうところが問題になっているわけです。
4C2とか、5P3とか、見覚えがありますか?
本当は、ここのところも、キチンと説明したほうが良いのかもしれませんが、
「人」の場合は、要注意=書き出す方法で対処
と覚えておいてもらえれば、准看や進学コースの入試では、おそらく困らないはずです。
どうしても、気になる方は、参考書などで調べるか、メールをください。
考えられる組み合わせは、
AB・BC・CD・DE
AC・BD・CE
AD・BE
AE
の10通り。
注意!ABとBAは、この場合同じことです。
Aが入っているのは、AB,AC,AD,AEの4通り。
よって、確率は、4/10=2/5
問題
男3人、女2人の中からくじ引きで2人を選ぶ時、
(1)2人とも男が選ばれる確率を求めよ。
(2)少なくとも、1人は女が選ばれる確率を求めよ。
解答・解説
(1)
男をA,B,C 女をd,eとすると、考えられる組み合わせは、
AB・BC・Cd・de
AC・Bd・Ce
Ad・Be
Ae
の10通り。
2人とも男なのは、AB,AC,BCの3通り。
よって、確率は、3/10
(2)
「少なくとも」なので、逆の確率を考える。
1人も女が選ばれない(2人とも男)確率は、(1)より3/10
よって、この場合の確率は、1−3/10=7/10
<別解>女が1人は入っている組み合わせは、
Ad・Ae・Bd・Be・Cd・Ce・de(7通り)
よって、確率は7/10 としてもOK
女が1人の場合と、2人の場合の両方あることに注意!
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