18.濃度

 濃度は苦手な方が多いのではないかと思います。でも、大丈夫です。ここでは、公式を1つと表の書き方・使い方を覚えるだけです。これだけで、濃度の問題はたいがい解けるようになります。

 実際の問題と解きかたを中心に行っていきますので、ついてきてください。読むよりは、書いたほうが理解しやすいと思います。

<公式>食塩水×濃度÷100=食塩  絶対暗記!
 食塩水は、食塩+水のことです。単位は、gです。
 濃度の単位は、%です。
 食塩は、食塩水に含まれている食塩のことです。単位は、gです。
 ※表の注意点:gは足すことができますが、%は足せません。


問1.80gの水に食塩20gを入れた時の食塩水の濃度を求めよ。

<解説>これは、公式をそのまま使うだけです。
濃度を、X%とします。
(80+20)×X÷100=20
 X=20  答え:20%


問2.濃度30%の食塩水100gに、濃度10%の食塩水300gを加えた場合、濃度何%の食塩水になるか。

 いよいよ、表の登場です。表のパターンはいつもおなじですから、書き方はすぐに慣れると思います。 ちなみに、食塩水・濃度・食塩という並び順は、公式といっしょです。

 まず、枠組みを書いたら、問題文を読むだけでわかる部分を書きこみます。
  食塩水(g)濃度(%)食塩(g)
 A  100   30 ( @ )
+B  300   10 ( A )
 C ( B ) ( C)( D )


 次に、計算をして、空欄(@とかAとか書いてある所です)を埋めていきます。
@100×30÷100=30 ※公式
A300×10÷100=30 ※公式
B100+300=400 ※gは足してもOKでしたよね。
C X ※求めたいものですから、Xとなります。
    ※%ですから、30+10なんてしては、ダメですよ。
D @30+A30=60 ※gは足してもOKでしたよね。
 これらを、表に書きこむと、以下のようになるはずです。
  食塩水(g)濃度(%)食塩(g)
 A  100   30 (@30)
+B  300   10 (A30)
 C(B400) (CX)(D60)


 ここで、Dの60は、公式を使った場合の、400×X÷100と同じになるはずですから、
400×X÷100=60 という式が作れます。
これを解くと、X=15 答え:15% となります。

 表を使った解きかたは、どうでしたか?
 もしかすると、複雑に感じたかもしれませんが、あまり考え込まずに、次に進んでください。問題を、いくつかこなすと、解きかたのパターンはほとんど変わらないということが実感できると思います。


問3.濃度10%の食塩水200gに、ある濃度の食塩水300gを加えたところ、濃度7%の食塩水になった。ある濃度とは、何%か求めよ。

 まず、表を書きます。下のように、なるはずです。
  食塩水(g)濃度(%)食塩(g)
 A  200   10 ( @ )
+B  300  ( A)( B )
 C ( C )   7 ( D )


 空欄を埋めていきましょう。
@200×10÷100=20 ※公式
A X ※求めたいものですから、Xになります。
B300×X÷100=3X ※公式とA
C200+300=500 ※gは足してもOKでしたよね。
D20+3X ※@+B
 これらを書きこんで、表を完成させてください。
  食塩水(g)濃度(%)食塩(g)
 A  200   10 (@20)
+B  300  (AX)(B3X)
 C(C500)   7 (D20+3X)


 ここで、Dの20+3Xは、公式を使った場合の、500×7÷100=35と同じになるはずですから、
20+3X=35という式が作れます。
これを解くと、X=5 答え:5%
 やっていることは、問3とほとんど同じですよね。


問4.濃度9%の食塩水200gに、水を加えて、濃度6%の食塩水にしたい。水を何g加えればよいか、求めよ。

 まずは、表を作りましょう。問題文を読むだけで次のようなところまでは、できるはずです。
  食塩水(g)濃度(%)食塩(g)
 A  200    9 ( @ )
+B ( A ) ( B)( C )
 C ( D )   6 ( E )


 続いて、空欄を埋めていきましょう。
この問題のポイントは、「水は、濃度0%の食塩水」と考えれば良いということです。
@200×9÷100=18 ※公式
A X ※求めたいものですから、Xになります。
B 0 ※「水は、濃度0%の食塩水」です。
CX×0÷100=0 ※公式(わざわざ計算しなくても、0ですけど。)
D200+X ※gは足してもOKでしたよね。
E18+0=18 ※gは足してもOKでしたよね。
  食塩水(g)濃度(%)食塩(g)
 A  200    9 (@18)
+B (A X) (B0)(C 0)
 C(D200+X)   6 (E18)


 ここで、Eの18は、公式を使った場合の、(200+X)×6÷100と同じになるはずですから、
(200+X)×6÷100=18という式が作れます。
この式は、(200+X)×6=18×100 とすると楽にできます。
これを解くと、X=100 答え:100g

ちょっと、注意するところがありましたが、パターンは変わりないものでした。


問5.濃度10%の食塩水300gがある。この食塩水から水を蒸発させたところ、濃度が15%になった。何gの水が蒸発したか求めよ。

 これは、「蒸発」がカギをにぎっていますよね。どう処理するかは、後ほど。
まずは、表を書きましょう。
  食塩水(g)濃度(%)食塩(g)
 A  300   10 ( @ )
+B ( A ) ( B)( C )
 C ( D )  15 ( E )

 ここまでは、すんなりと理解できるようになってきましたか?

 さて、「蒸発」について考えてみましょう。これは、何gの水が蒸発するか、ということですよね。今までは、「加える」とか「混ぜる」とかいうことだったので、gは足してきました。 「蒸発」というのは、「(水が)減る」ということですから、−(マイナス)とすればよいだけのことです。

 空欄を埋めていきましょう。
@300×10÷100=30 ※公式
A−X ※求めたいものですから、Xとなります。
    ※蒸発(減少)ですから、−がつきます。
B 0 ※蒸発とは言っても、水は水ですから、濃度は0%です。
C−X×0÷100=0 ※公式(計算しなくても、わかると思いますけど。)
D300−X ※300+A=300+(−X)=300−X
E30 ※@+C
  食塩水(g)濃度(%)食塩(g)
 A  300   10 (@30)
+B (A−X) (B0)(C 0)
 C(D300−X)  15 (E30)

 ここで、Eの30は、公式を使った場合の、(300−X)×15÷100と同じになるはずですから、
(300−X)×15÷100=30という式が作れます。
この式は、(300−X)×15=30×100 とすると楽にできます。
これを解くと、X=100 答え:100g

「蒸発」とは、水を減らすことでした。(ちなみに、蒸発の際には、水だけが蒸発します。食塩の量は変化がありません。気になる方は、理科の本でも見てください。)

 問題には、でてきませんでしたが、食塩だけを加える場合には、どうするのかというと、「食塩は、濃度100%の食塩水」と考えるだけです。表の書き方などは、いっしょです。

※このページの、問題だけを写して、自力で解けるか試してみてください。できるようになったら、問題集等で「濃度」にチャレンジしてみてください。


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