9.関数その1

 ここでは、関数の式の形を求めるということに、しぼって解説します。それ以外は、「10.関数その2」に、まとめてあります。

<比例・反比例>
(比例)Y=aX※a:比例定数
(反比例)Y=※a:比例定数


<1次関数(直線の式)>
 Y=aX+b 
※a=傾き=変化の割合=Yの増加量
Xの増加量
※b=切片


<2乗に比例する関数・2乗に反比例する関数>
(2乗に比例)Y=aX※a:比例定数
(2乗に反比例)Y=※a:比例定数


実際に、問題を解く際には、aやbを求めることになります。
これらの中で、1次関数だけが特殊です。
それ以外のものには、共通点があります。それは、aしかないことです。このことは、代入法で求められるということを意味しています。(解きかたは、のちほど。)
逆に考えると、1次関数だけは、アプローチの仕方が違うということです。(これまた、のちほど。)


 
<比例・反比例 問題演習>
@YはXに比例し、X=1のとき、Y=3である。
 X=3のときのYの値を求めよ。

AYはXに比例し、X=2のとき、Y=4である。
 Y=10のときのXの値を求めよ。

BYはXに反比例し、X=2のとき、Y=8である。
 X=4のときのYの値を求めよ。

CYはXに反比例し、X=3のとき、Y=6である。
 Y=2のときのXの値を求めよ。


解答・解説
@まず、比例の式を求めます。比例は、Y=aXでしたよね。
 X=1、Y=3を代入すると、
 3=a×1
 3=a
 a=3
つまり、ここの比例の式は、Y=3X
これに、X=3を代入すると、
 Y=9 これが、答えになります。

A上記と同様に行うと、ここの比例の式は、Y=2X
これに、Y=10を代入すると、
 X=5 これが、答えになります。

B考え方は、同じです。ただ、今度は反比例ですから、Y=a/X になります。
 X=2、Y=8を代入すると、a=16
つまり、ここの反比例の式は、Y=16/X
これに、X=4を代入すると、
 Y=4 これが、答えになります。

C Bと同じように進めると、
ここの反比例の式は、Y=18/X
これに、Y=2を代入すると、
 X=9 これが、答えになります。



<2乗に比例する関数>
@YはXに比例し、点(1,3)を通る。
 このときの関数の式を求めよ。

AYはXに比例し、点(2,−8)を通る。
 このときの関数の式を求めよ。

BYはXに比例し、X=2のとき、Y=2である。
 X=4のときのYの値を求めよ。


解答・解説
@YはXに比例し、とあるので、
 式の基本形は、Y=aX です。
ここから先は、やっぱり代入です。
Xに1を、Yに3を、それぞれ代入すると、
 3=a×1
 a=3
よって、Y=3X これが、答えになります。

A上と同じパターンです。
Xに2を、Yに−8を、それぞれ代入すると、
 −8=a×2
 a=−2
よって、Y=−2X これが、答えになります。

Bまず、式を求めてから、X=4の場合を考えます。
X=2、Y=2を代入すると、
 2=a×2
 a=1/2
よって、Y=1/2 X(あるいは、X/2)
これに、X=4を代入すると、
 Y=8 これが、答えになります。



<2乗に反比例する関数>
@YはXに反比例し、X=2のとき、Y=9である。
 X=3のときのYの値を求めよ。

AYはXに反比例し、X=1のとき、Y=16である。
 X=4のときのYの値を求めよ。


解答・解説
@YはXに反比例し、とあるので、
 式の基本形は、Y=a/X です。
ここから先は、やっぱり代入です。
Xに2を、Yに9を、それぞれ代入すると、
 9=a/2
 a=36
よって、Y=36/X
これに、X=3を代入すると、
 Y=4 これが、答えになります。

AXに1を、Yに16を、それぞれ代入すると、
 16=a/1
 a=16
よって、Y=16/X
これに、X=4を代入すると、
 Y=1 これが、答えになります。



くどいようですが、
ここまでの問題は、基本的なパターンはいっしょでした。
「式の基本形を思い出して、代入をする」というものでした。
式を知るために求める必要のある文字が、aだけだったからです。

しかし、最後に残った「1次関数」には、aとbに2つの文字がでてきます。
そのため、解き方が、これだけが異質です。と、言っても、ワンクッション入るだけのことです。
その際に大活躍するのが、「a=Yの増加量/Xの増加量」です。 
それでは、そろそろ始めましょう。



<一次関数>
@2点(1,3)(3,7)を通る直線の式を求めよ。

A2点(1,1)(4,−2)を通る直線の式を求めよ。

BY=4X+2に平行で点(2,7)を通る直線の式を求めよ。

C2点(1,3)(2,3)を通る直線の式を求めよ。

D2点(2,4)(2,8)を通る直線の式を求めよ。


解答・解説
@直線の式ということなので、
式の基本形は、Y=aX+b になります。
aとbを、一度に求めることはできないので、
通常は、aから先に求めます。
使うのは、a=Yの増加量/Xの増加量 です。

ここでは、Xは1から3、Yは3から7 なので、
増加量は、それぞれ、2と4になります。
よって、a=4/2=2
これを、基本形に代入すると、
 Y=2X+b
あとは、bだけですから、やはり代入です。
(1,3)と(3,7)の好きなほうを選んでください。
ここでは、(1,3)とします。X=1、Y=3ということです。
 3=2×1+b
 b=1
よって、Y=2X+1 これが、答えになります。

A上と同じパターンです。まず、aからいきましょう。
Xの増加量は3、Yの増加量は−3ですから、
 a=−3/3=−1
したがって、Y=−X+bになります。
(1,1)を代入すると、
 1=−1+b
 b=2
よって、Y=−X+2 これが、答えになります。

Bここのポイントは、「平行」ということです。
1次関数で、この言葉がでてきたら、
「傾きが同じ」と考えてください。それだけのことです。

「Y=4X+2に平行」と書いてありますから、
これは、「傾きは4ですよ」と教えてくれているわけです。
ですから、Y=4X+bとなります。
これに、(2,7)を代入すると、
 7=4×2+b
 b=−1
よって、Y=4X−1 これが、答えになります。

ここから先は、ちょっと特殊なものになります。
C問題をよく見ると、
(1,3)と(2,3)とでは、Yの値が同じ(Y=3)です。
1次関数においては、
これは、Yの値は、Xに無関係であり、かつ一定ということです。
よって、Y=3 これが、答えになります。
 Y=3は、X軸に平行な直線になります。

D問題をよく見ると、
(2,4)と(2,8)とでは、Xの値が同じ(X=2)です。
1次関数においては、
これは、Xの値は、Yに無関係であり、かつ一定ということです。
よって、X=2 これが、答えになります。
 X=2は、Y軸に平行な直線になります。

※2乗に比例する関数においては、CのようにXの値が違うのに、
Yの値が同じということは、珍しいことではありません。
例えば、Y=Xにおいては、
X=3のときとX=−3のときでは、Yの値は同じですよね。


「10.関数その2」では、
2乗に比例する関数の、変化の割合・変域
交点の座標
を取り上げます。


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