10.関数その2

 ここで取り上げる内容は、変化の割合・変域・交点の座標です。

 本題に入る前にいくつか注意点があります。
1.「変化の割合」の対象は、「2乗に比例する関数」です。
 「変化の割合」の求め方は、Yの増加量/Xの増加量を使います。しかし、
 1次関数では、変化の割合=aでしたが、
 2乗に比例する関数では、変化の割合≠aです。

2.「変域」の対象は、やはり「2乗に比例する関数」です。
 「Xの変域」のことを、「定義域」
 「Yの変域」のことを、「値域」
 と呼ぶ場合もありますが、
 ここでは「Xの変域」「Yの変域」に統一します。

3.「交点の座標」の対象の多くは、
 「2乗に比例する関数」と「1次関数」との交点です。
 まれに「1次関数」と「1次関数」との交点の場合もありますが、
 解くパターンはほとんど同じです。




関数その2 問題演習
<変化の割合>
@Y=Xにおいて、
Xの値が1から3まで増加するときの変化の割合を求めよ。

AY=2Xにおいて、
Xの値が2から4まで増加するときの変化の割合を求めよ。

BY=aXにおいて、
Xの値が1から3まで増加するときの変化の割合が12であるとき、
aの値を求めよ。


解答・解説
@Xの値は1から3までなので、Xの増加量は、2です。
Yの値は、
 X=1のとき、Y=1=1
 X=3のとき、Y=3=9
よって、Yの増加量は、8になります。
 変化の割合=8/2=4 これが、答えになります。

AXの値は2から4までなので、Xの増加量は、2です。
Yの値は、
 X=2のとき、Y=2×2=8
 X=4のとき、Y=2×4=32
よって、Yの増加量は、24になります。
 変化の割合=24/2=12 これが、答えになります。

B少しパターンが違う問題ですが、
行けるところまでは、同じように進めます。

Xの値は1から3までなので、Xの増加量は、2です。
Yの値は、
 X=1のとき、Y=a×1=a
 X=3のとき、Y=a×3=9a
よって、Yの増加量は、8aになります。
 変化の割合=8a/2=4a
問題によれば、これは、12ということになりますから、
 4a=12
  a=3 これが、答えになります。




<変域>
@Y=2Xにおいて、
Xの変域が−1≦X≦2のときの、Yの変域を求めよ。

AY=Xにおいて、
Xの変域が−2≦X≦4のときの、Yの変域を求めよ。

BY=−Xにおいて、
Xの変域が−2≦X≦3のときの、Yの変域を求めよ。

CY=3Xにおいて、
Xの変域が1≦X≦2のときの、Yの変域を求めよ。


解答・解説
@変域というのは、この問題で言えば、
Xが−1から2までのとき、Yはいくつからいくつまで、
ということを、聞かれているだけのことです。

実際には、どう解くのかというと、
Xの最小値である−1を、代入します。このとき、
 Y=2×(−1)=2
Xの最大値である2を、代入します。このとき、
 Y=2×2=8
ここからが、今回のポイント!
Xの変域に、0が含まれている場合には、0も代入します。
 Y=2×0=0

Yの変域を表す「△≦Y≦□」の
△には、一番小さい値(ここでは、0)
□には、一番大きい値(ここでは、8)
を書きます。
 0≦Y≦8 これが、答えになります。

Aパターンは同じです。
 X=−2のとき、Y=4
 X=4のとき、Y=16
 X=0のとき、Y=0
よって、0≦Y≦16 これが、答えになります。

Bパターンは同じです。
 X=−2のとき、Y=−4
 X=3のとき、Y=−9
 X=0のとき、Y=0
よって、−9≦Y≦0 これが、答えになります。

Cパターンはほぼ同じです。
 X=1のとき、Y=3
 X=2のとき、Y=12
Xの変域に0が含まれていませんので、
 X=0は代入しないでください。
よって、3≦Y≦12 これが、答えになります。




<交点の座標>
@2乗に比例する関数Y=Xと、
一次関数Y=X+6との交点の座標を求めよ。    

A2乗に比例する関数Y=Xと、
一次関数Y=X+2との交点の座標を求めよ。    

B2乗に比例する関数Y=Xと、
一次関数Y=3X+4との交点の座標を求めよ。    


解答・解説
@交点の座標は、ある意味連立方程式です。
ここでは、
 Y=X・・・(1)
 Y=X+6・・・(2)
の連立方程式だと思ってください。

連立方程式のポイントは「文字を減らす」でしたね。
ここでは、次のようにするのが一番楽です。
 X=X+6

普通の連立方程式とは、ちょっと雰囲気は違いますが、
Yはなくなりましたよね。
右辺を、左辺に移行すると、
 X−X−6=0
と、2次方程式になります。

これを解くと、X=−2、3

座標には、Xの値とYの値が必要ですので、
Yの値を求めます。上記の(1)か(2)に代入です。
X=−2のとき、
 Y=−2+6=4
X=3のとき、
 Y=3+6=9
よって、(−2、4)(3、9) これが、答えになります。
通常、交点の座標では、答えが2つ出ます。


A解き方は、同じです。
 Y=X・・・(1)
 Y=X+2・・・(2)

 X=X+2
 X−X−2=0
これを、解くと、
 X=−1、2

X=−1のとき、
 Y=−1+2=1
X=2のとき、
 Y=2+2=4
よって、(−1、1)(2、4) これが、答えになります。


B解き方は、やっぱり同じです。
 Y=X・・・(1)
 Y=3X+4・・・(2)

 X=3X+4
 X−3X−4=0
これを、解くと、
 X=−1、4

X=−1のとき、
 Y=(−1)=1
X=4のとき、
 Y=4=16
よって、(−1、1)(4、16) これが、答えになります。


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