6.1次方程式・不等式

 いよいよ、方程式(不等式)です。最初に、計算と方程式(不等式)との違いについて、書いてみます。

@方程式(不等式)は、0以外なら何をかけても、何で割ってもかまわない。
不等式の場合には、注意が必要ですが、それはのちほど。

 分数や小数がある場合には、適当な数をかけて、分数や小数を解消することが可能です。(どんどんやりましょう。(^^ゞ)
 ※計算では、1以外はかけてはいけません。ですから、分数は分数のまま、少数は小数のまま計算しなければなりません。(この区別は非常に重要です。忘れないでください。絶対ですよ。)

A方程式(不等式)は、最後の形は決まっている。
 計算では、最後の形は予想できませんが、方程式(不等式)では、X=○○やX<○○ のようになることは決まっています。(というより、そうなるようにしなければなりません。)

B方程式(不等式)は、問題文に「〜を解け」と書いてある。
 計算では「〜を計算しなさい」などとなっているはずです。


 では、本題に入ります。まずは、1次方程式からです。
<解きかたの流れ>
 1.文字は=の左側に、数字は右側に集めます。
 2.左は左で、右は右で、それぞれ計算します。
 3.文字の前の数字を右側に移行します。
   通常は、割り算になります。
 4.右側を計算したら、完了です。
 ※分数、小数がある場合は、1.の前に、それらを解消しておくと、その後が楽です。


<例>
 4X−3=7X+9を解きなさい。
 「文字は左に、数字は右に」なので、4X−7X=9+3
 それぞれを計算すると、−3X=12
 「文字の前の数字を右側に移行」なので、X=12÷(−3)
 ※−3とXは、掛け算でつながっています。
  (−3とXの間には、×が省略されている)
  そのため、移行すると÷(−3)となります。
 右側を計算すると、X=−4


<例2>分数の解消の仕方
2X4X+2を解きなさい。

 この場合、まず分母に注目します。6と2と3ですね。
 次に、それらの最小公倍数を考えます。ここでは、6です。
 すべてに、6をかけます。
2X×6×64X×6+2×6

 2X−15=8X+12 これで、分数は解消されました(以下省略)
 ※最小公倍数がわからない場合には、分母を全部かけたもの
(ここでは、6×2×3=36)を、最小公倍数の代用として、かけても大丈夫です。
 ただ、約分はキチンとしてください。


<例3>小数の解消の仕方
 通常、10か100をかけるだけです。
 (すべてのものに、必ず同じものをかけてくださいね。)
 3X−0.74=0.5X+1.3を解きなさい。
 この場合、10をかけると0.74の小数は解消できませんから、100をかけます。
 3X×100−0.74×100=0.5X×100+1.3×100
 300X−74=50X+130 これで、小数は解消されました(以下省略)


<例4>不等式の注意点
 不等式は、方程式と解きかたは同じです。
 ただ、注意点が一つあります。新しく、マイナスの掛け算・割り算が出てきたら、不等号の向きが変わるということです。(あとは、全く方程式といっしょです。)
 3X+4<5X+10を解きなさい。
 3X−5X<10−4
 −2X<6
 X>6÷(−2)  
  ※ここで、新しく、マイナスの割り算が出てきましたので、
   不等号の向きを変えました。
 X>−3

 分数や小数を解消する場合にも、もしマイナスをかけたとしたら、そこでも不等号の向きは変わりますので、注意してください。


 問題集などで、問題演習をしておいてください。1次方程式は、次の連立方程式を解く際にも活用しますので、万全にしておいてください。


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