5.因数分解

 因数分解というのは、言ってみれば、式の展開の逆のことをすればよいわけです。その基本のルールとなるのが、共通因数でくくるということです。


それでは、具体的に見ていきましょう。
<例題1> 3a−6ab+12ab を因数分解しなさい。

まず、共通因数を探すわけですが、わかりやすくするためにバラしてみます。
 3×aa×bbb−2×3×aaa×b+2×2×3×abb
 ×a×bb−2××aa×+2×2××ab
  下線部が共通因数になります。
共通因数が見つかったら、まずそれを書き、後ろの(  )内に、残りものを書きます。
 3ab(ab−2a+4b) これが答えになります。
  試しに、これを展開してみてください。元に戻れば、因数分解は成功したということになります。



続いては、全体を通しての共通因数がない場合です。
<例題2> aX+bY−bX−aY を因数分解しなさい。

全体を通しての共通因数がありませんので、例題1のようにすぐにくくるわけにはいきません。こんなときには、部分ごとに共通因数でくくることを考えます。 いろいろなパターンがありますが、ここではXとYに注目してみます。Xを前に、Yを後ろに移動させます。

 aX−bX−aY+bY
この中で、aX−bXではXが、−aY+bYでは−aY−(−bY)と考えれば−Yが、共通因数になっていますので、次のようにできます。

 X(a−b)−Y(a−b)
ここでは、(a−b)が共通因数になっています。

 (a−b)(X−Y) これが、答えになります。


次も、全体を通しての共通因数がない場合です。
<例題3> +7X+12 を因数分解しなさい。

これって、「掛けていくつ、足していくつ」のパターン(あるいは、たすき掛け)じゃないの?と思ったあなた、確かにその通りです。 でも、共通因数でくくるという基本パターンで解けちゃいます。ちょっと、工夫が必要ですけど・・・。

まずは、見ててください。
 +7Xを、+3X と +4Xに分けます。
 これが、ちょっとした工夫というやつです。

 +3X+4X+12
この中で、X+3XではXが、+4X+12では4が、共通因数になります。

 X(X+3)+4(X+3)
ここでは、(X+3)が共通因数になっています。

 (X+3)(X+4) これが、答えになります。

どうでしょうか?確かにできましたよね。
でも、「ちょっとした工夫」のところが、実際にはやっかいです。
後で、うまく因数分解できるように分けるのは大変です。

ということで、もう少し楽な方法として、
「掛けていくつ、足していくつ」のパターン(あるいは、たすき掛け)がでてきました。
 正確なことは知りませんが、^^; おそらくそうでしょう。


ちなみに、
「掛けていくつ、足していくつ」のパターン(あるいは、たすき掛け)で解くと、
掛けて+12、足して+7というのは、+3と+4ですから、
答えはやはり、(X+3)(X+4)となります。当たり前ですけど。


<まとめ>
因数分解の解きかたとしては、
 @共通因数でくくる
 A「掛けていくつ、足していくつ」(あるいは、たすき掛け)
 B @とAの合わせ技
などがあります。

Bの合わせ技というのは、
 4X+28X+48 のように、
まず共通因数でくくり、
 4(X+7X+12)
さらに、掛けていくつ、足していくつ」(あるいは、たすき掛け)を行うタイプの問題のことです。


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