1.平方根 

「POINT」@素因数分解 A(分母の)有理化

(1)平方ってなんだろう?
 平方とは、2乗のことです。cmは、平方センチメートルと読みますが、
意味は、cmの2乗ということです。
ちなみに、三平方の定理(a=b+c)は、平方(2乗)が3つあるため、この名前になりました。

(2)それでは、平方根とはなんだろう?
 平方根とは、言ってみれば平方(2乗)の逆です。これでは、わかりにくいので、例を見てみましょう。

 例:9の平方根と言われた場合には、何を平方(2乗)したら9になるのか、と考えてください。
 まず、3という答えが出てくると思います。3は3×3で、9になりますから。
あと、−3もOKです。(−3) は(−3)×(−3)で、やはり9になります。

 では、7の平方根だったらどうでしょうか?何を2乗したら、7になるでしょうか?・・・
 少なくとも、普通の数字ではないということはわかると思います。
 このような場合、√7そして−√7と表します。
 10の平方根ならば、√10と−√10で、
 51の平方根ならば、√51と−√51となります。ルールは簡単ですね。

 ところで、このルールでいけば、9の平方根は√9と−√9のはずです。それが、3と−3となるのは、なぜなのでしょうか?
 これは、素因数分解をおこなったためです。(いよいよ本題に入る時が来ました。)

 それでは、以下の解説に、進んでください。
 ※(1)(2)の内容は、実際の計算では、直接的にはあまり使いませんので、無理に覚えなくても大丈夫です。

ここからが、重要!
 平方根の計算では@素因数分解A(分母の)有理化 が重要で、それ以外は普通の計算と同じです。
 最初に、普通の計算のルールを復習しておきましょう。

 2a×5bはいくつになるでしょうか?答えは、10abですね。
 細かく見てみると、まず2×5で10、次にa×bでabとなります。
 数字は数字同士で計算して、文字は文字同士で計算しています。
 
 それでは、3ab+6abはどうでしょうか?答えは、9abですね。
 これも、細かく見てみると、3+6で9、しかし、文字のほうは変わっていません。

 7X+8Yはどうでしょうか?これは、計算できませんね。
 文字の種類が違うと、足したり引いたりできないということです。

 以上が、簡単ですが、普通の計算ということになります。


@素因数分解:キーワード=ペアを作れ!
 素因数分解とは、素数でばらばらにしていくことです。
 ところで、素数ってなんだか覚えてますか?
 素数とは、1とその数以外では割り切れない数のことです。
 具体的には、2、3、5、7、11、13、17・・・などです。

では、実際にやってみましょう。
  8→2×2×2
 16→2×2×2×2
 18→2×3×3
 24→2×2×2×3
 72→2×2×2×3×3
ここまでは、大丈夫でしょうか?次は√の素因数分解です。

ルールは、「ペアは√の外に出て、ペアでないものはルートの中に残る。つながりは掛け算。」です。

 √8は、8→2×2×2 なので、2√2になります。
  ※2のペアが1組と、残りが2なので。

 √16は、16→2×2×2×2 なので、4になります。
  ※2のペアが2組(つながりは掛け算!)、残りはなし(√の中に残るものはないということ。)

 √18は、18→2×3×3 なので、3√2になります。
  ※3のペアが1組と、残りが2なので。

 √24は、2×2×2×3 なので、2√6になります。
  ※2のペアが1組と、残りが2と3(つながりは掛け算)なので。

 √72は、2×2×2×3×3 なので、6√2になります。
  ※2のペアと3のペアが1組ずつ(つながりは掛け算)、残りは2なので。

ちなみに、3√8は、2のペアが1組と残りが2となりますが、もともと√の外に3があるので、6√2になります。(3と2のペア1組も、やはりつながりは掛け算なので。)


A(分母の)有理化:キーワード=分母から√をなくす。
√3
は分母に√があります。このような場合には、有理化しなければなりません。

方法は、分母の√と同じものを、分子と分母に掛けます。
1×√3
√3×√3
こんな感じです。分母は√9なので、素因数分解すると3、分子は√3です。
√3
 これで、有理化は完了です。(分母から√がなくなりました。)


問題演習
1.2√3×4√2
2.4√2×√8
3.3√21÷√6×√2
4.√48−√27+√12
5.  1 − √27
√3
 


解答・解説
1.答え:8√6 
※2×4で8、√3×√2で√6

2.答え:16 
※4√2×√8=4√16、√16を素因数分解すると4、もともと4があるので4×4。

3.答え:3√7   
3√21×√2 √21と√6を√3で約分
√6
 
3√7×√2  √2同士を約分
√2
 ※√と√の約分は可能ですが、√と普通の数字とでは約分はできません。
  数字は数字と、文字は文字としか約分できないのと同じことです。

4.答え:3√3 
※このままでは、足したり引いたりできないので、素因数分解!
√48は4√3、√27は3√3、√12なので2√3
4√3−3√3+2√3 となり、足したり引いたりできるようになります。
あとは、普通の計算のルールで。


5.
答え:−8√3
 
 1  は有理化すると√3 となり、
√3
√27は素因数分解で3√3  
3√3は3√3なので9√3と考える。
あとは普通の(分数)の計算。


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