0.ウォーミングアップ

 ここでは、数学の各分野の勉強に入る前に、まとめておきたいことを書いていきます。

 全体を通して考えているのは、「楽できることは、楽をしよう」ということです。

 そして、一番重視していることは、「正確さ・確実さ」ということです。速さや便利さは、2の次です。


1.=(イコール)の意味


 =(イコール)というのは、数学においては非常によくでてきますが、これを少し見なおしてみましょう。

 例えば、「底辺×高さ÷2=三角形の面積」というものがあります。これが、三角形の面積を求める公式だというのは、言うまでもないことです。

 しかし、それは一面にしかすぎません。使い方によっては、底辺を求める式にもなるし、高さを求める式にもなります。

 =(イコール)というのは、左から右への一方通行ではなく、右から左というのも、ありです。「左から右がOKなら、右から左もOK」とでも覚えておいてください。

 この考えを使えば、速さについての公式
「@速さ=距離÷時間A距離=速さ×時間B時間=距離÷速さ」というのは、
3つとも、速さを求める式でもあり、距離を求める式でもあり、時間を求める式でもあるわけです。

 ということは、わざわざ3つの公式を区別して覚えて、しかも使い分けに苦労する必要というのは、ないということになります。どれか1つだけ(好きなもので結構です)を、覚えればいいんです。これなら、楽ですよね。

 もちろん、ここであげた例以外でも、この考えは使えます。どんどん、楽をしましょう。


2.公式は便利?


 数学には、いろいろな公式があります。これらを使うことによって、楽に計算ができるようにという先人の知恵です。
 でも、本当に便利なのでしょうか?そのことについて考えてみたいと思います。

 例えば、乗法公式のように、一つの分野にいくつもの公式が用意されている場合があります。まず、メリットはというと

@計算が正確に、速くできる。
A・・・。
はやくもいきづまってしまいました。^^;

 では、デメリットはどうでしょうか?

@いくつもあると、覚えるのが大変。
Aメンテナンス(忘れないようにする・覚えなおす)が大変。
B使い分けができるようにならなければならない。
C公式が使えないことがある。
こんな感じでしょうか。

 もちろん、すべての公式にあてはまるわけではありませんし、ここにあげたようなデメリットをデメリットと感じない人もいるとは思いますが。

 結論としては、公式の便利さというのは、
「まず覚えることができて、」
「使い分けもマスターし、」
「その公式が適用できる問題に出合って、」

 初めて享受できるものだということです。しかも、忘れないようにする努力も結構必要です。

 2次方程式に対する解の公式のように、絶対に覚えなければならない公式もあります。その場合には、大変だとかは言ってられません。

 ただ、公式の中には、覚えなくてもなんとかなってしまうものもあります。
 そのような公式を無理してまで、覚えようと思いますか?


3.文字の数だけ式は必要


 方程式では、文字の数が一つならば式が一つあれば解けます。文字の数が二つあれば、式は二つ必要になります。このことは、文章問題などに対して使えます。

 例えば、「1個30円のみかんと1個70円のりんごをあわせて20個買ったところ、合計金額は800円になった。みかんとりんごをそれぞれ何個買ったか。」という問題があったとします。

 この場合、みかんの個数をX個、りんごの個数をY個とすると、文字が二つになりますから、式も二つ作らなければなりません。

 要するに、連立方程式を作って解かなければなりません。

 一方、みかんの個数をX個、りんごの個数を(20−X)個とすると、見た目は少し複雑になりますが、使っている文字は一つですから、式は一つ作ればよいということになります。

 要するに、1次方程式を作って解くということです。

 どちらがやりやすいかは、人によって感じ方は違うかもしれませんが、どうせだったら楽な方がいいですよね。



 お願い!!
できるならば、市販の問題集(薄いもので結構です)を、用意して、
問題演習量を確保するようにしてください。
そして、各コーナーに書いてあることが、
本当に使えるのかどうか、自分に向いているのかどうかを、
お試しください。


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