20.文章問題
数学の勉強部屋
文章問題のポイントは、どうやって、式(方程式や不等式)を作るのかということです。上手に、式を作るためには、文字の割り当てがカギになります。
いつものように、実際の問題を解いていってみましょう。
<例題>
1個50円のみかんと1個80円のりんごを、合わせて10個買った。その代金が560円の場合、みかんとりんごをそれぞれ何個買ったか。
<考え方>
:「個数」
みかん〜X個
りんご〜(10−X)個
みかん+りんご=10 ⇒ りんご=10−みかん ⇒ りんご=10−X
:「代金」
みかん | 〜50X円 | 50円の物がX個なので。 |
りんご | 〜80(10−X)円 | 80円の物が(10−X)個なので。 |
合計金額は、50X+80(10−X)で、問題によれば、560円。
:式
50X+80(10−X)=560
X=8
Xはみかんの個数なので、みかんは8個。
りんごの個数は(10−X)個なので、10−8=2⇒りんごは2個。
答え:みかん8個、りんご2個
<別解>
みかん X個・りんご Y個 とする。
個数:X+Y=10
代金:50X+80Y=560
これを解くと、X=8・Y=2
答え:みかん8個、りんご2個
文章問題 問題演習
<事前練習>
1、10円硬貨がa枚と5円硬貨がb枚ある。合計金額はいくらか。
<解答>(10a+5b)円
2、 折り紙が何枚かある。それをa人の子供に1人7枚ずつ分けようとすると10枚
不足する。折り紙の枚数をaを使って表せ。
<解答>折り紙{枚数}=7a−10
3、 鉛筆がa本ある。その鉛筆を4人にb本ずつ配ったところ5本余った。aをbの式で表せ。
<解答>a=4b+5
4、 正の整数aを7で割ると商がbで余りがcである。bをa、cを使った式で表せ。
<解答>
a=7b+c
−7b=c−a
b=(c−a)/―7
b=(−c+a)/7
b=(a−c)/7
5、1個の重さがa kgの品物5個を、おもさがb gの箱につめたら、全体の重さがc gになった。cをa、bを使った式で表せ。
<解答>c=5000a+b 注!a kg=1000a g
6、100を自然数aで割ると、商がpで余りがbとなった。pをaとbを使って表せ。
<解答>
100=ap+b
−ap=b−100
p=(b−100)/−a
p=(100−b)/a
<問題演習>
1、1本の値段が40円と60円の鉛筆を合わせて16本買って、780円支払った。40円の鉛筆と60円の鉛筆を、それぞれ何本買ったか求めよ。
<解答>
| | 本数 | | 代金 |
40円の鉛筆 | | X本 | | 40X円 |
60円の鉛筆 | | (16−X)本 | | 60(16−X)円 |
式:40X+60(16−X)=780
答え:40円の鉛筆 9本、60円の鉛筆 7本
2、120円切手と210円切手を買いに行った。120円切手を210円切手より1枚多く買い、1500円払ったらおつりが60円であった。120円切手と210円切手をそれぞれ何枚買ったか。その枚数を求めよ。
<解答>
| | 枚数 | | 代金 |
120円切手 | | X枚 | | 120X円 |
210円切手 | | (X−1)枚 | | 210(X−1)円 |
式:120X+210(X−1)=1500−60
答え:120円切手 5枚、210円切手 4枚
3、1個190円のりんごと1個70円のかきを、合わせて20個買うことにした。その合計代金を2000円以下にしたいとき、りんごは何個まで買うことができるか。
<解答>
| | 個数 | | 代金 |
りんご | | X個 | | 190X円 |
かき | | (20−X)個 | | 70(20−X)円 |
式:190x+70(20−x)≦2000
X≦5 (5,4,3,2,1,0)
答え:5個
4、ある美術館の入館料は大人250円、子供120円である。ある日の入館者は、大人と子供合わせて、220人で入館料の合計は40000円以下であったという。この日の子供の入館者は少なくとも何人であったか。
<解答>
| | 人数 | | 入館料 |
子供 | | X人 | | 120X円 |
大人 | | (220−X)人 | | 250(220−X)円 |
式:120X+250(220−X)≦40000
X≧15000/130
X≧115.3… (116,117,118,119,…)
答え:116人
5、A,B 2種類の切手がある。A 4枚と B 3枚を買うと合計560円である。A 5枚と B 4枚を買うと合計730円である。A 1枚、B 1枚はそれぞれいくらか。
<解答>
1枚の金額:A X円 B Y円
代金@:A 4枚の金額 4X円、B 3枚の金額 3Y円
代金A:A 5枚の金額 5X円、B 4枚の金額 4Y円
式:4X+3Y=560
5X+4Y=730
X=50、Y=120
答え:A 50円、B 120円
6、1個Xgの赤玉と2個Ygの青玉とがある。赤玉5個と青玉2個の重さの合計は80gであり、赤玉3個と青玉4個の重さの合計は90gである。X、Yの値をそれぞれ求めよ。
<解答>
1個の重さ:赤玉 Xg、青玉 Yg
重さ@:赤玉5個の重さ 5Xg、青玉2個の重さ 2Yg
重さA:赤玉3個の重さ 3Xg、青玉4個の重さ 4Yg
式:5X+2Y=80
3X+4Y=90
X=10、Y=15
答え:X=10、Y=15
文章問題 その2 数字編
<ポイント>
自然数:正の整数のこと。(1,2,3,4,5,…)
連続する整数:2,3 9,10 207,208など。
文字で表すと X、X+1(小さいほうの数をXとした場合)
式をつくる上で重要なこと!:+(たす)、−(ひく)の前後には、必ず( )をつける。
和:足し算(の結果)のこと。
差:引き算(の結果)のこと。
積:掛け算(の結果)のこと。
商:割り算(の結果)のこと。
<事前練習その2>
1、不等式 2(X+3)>5X−8 の解のうち、自然数であるものの個数を求めなさい。
<解答>
X<14/3
X<4.6… (4,3,2,1)
答え:4個
2、不等式 5X+1<8(X−2) の解のうち、最も小さい整数を求めよ。
<解答>
X>17/3
X>5.6… (6,7,8,9,…)
答え:6
3、不等式 X−3<3X+7 を成り立たせる負の整数は何個あるか。
<解答>
X>−5 (−4,−3,−2,−1,0,1,…)
答え:4個
<問題演習その2>
1、ある数に8をたして3倍したものと、ある数の9倍が等しいとき、ある数を求めよ。
<解答>
式:ある数をXとすると、
(X+8)×3=X×9
3(X+8)=9X
答え:4
2、ある数に1をたして2乗したものと、ある数の8倍から4をひいたものが等しいときある数を求めよ。
<解答>
式:ある数をXとすると、
(X+1)2=X×8−4
(X+1)2=8X−4
答え:1と5
mikiさんからの指摘で上記の答えに修正しました。ご迷惑をおかけしたことをおわびします。
3、ある数から3をひいたものの4倍は、もとの数を5倍して、17をひいたものより大きいという。このような整数のうち、最大のものを求めよ。
<解答>
式:ある数をXとすると、
(X−3)×4>X×5−17
4(X−3)>5X−17
X<5 (4,3,2,…)
答え:4
4、連続した2つの正の整数がある。この2つの数の積は、その和より19大きい。この2つの数を求めよ。
<解答>
式:小さいほうの正の整数をXとすると、大きいほうは(X+1)
X(X+1)=X+(X+1)+19
X=5、−4 (Xは正の整数なので、X=5)
答え:5 と 6
5、大小2つの数がある。小さい数の2倍に大きい数を加えると27になり、大きい数を小さい数で割ると、商が4で余りが3になる。小さい数をX、大きい数をYとして連立方程式をつくり、この2つの整数を求めなさい。
<解答>
式:小さい数がX、大きい数がYなので、
2X+Y=27 …@
Y=4X+3 …A
X=4、Y=19
答え:4 と 19
6、連続した2つの自然数があり、それぞれの2乗の和は、もとの2つの自然数の和の6倍に7を加えた数に等しい。この2つの自然数を求めなさい。
<解答>
式:小さいほうの自然数をx、大きいほうの自然数を(X+1)とすると、
X2+(X+1)2=6(X+X+1)+7
X=6、−1 (Xは自然数なので、X=6)
答え:6 と 7
目次に戻る
一つ前(19.速さ)に戻る
次(21.接線)に進む