数Tミニマム講座 4.三角比 正弦定理・余弦定理
ここで、取り上げる公式は、2つです。
正弦定理:
a/sinA=b/sinB=c/sinC=2R
(Rは、外接円の半径)
※よく使うのは、a/sinA=b/sinBの部分です。
※正弦定理におけるsinは、必ずプラスになります。
余弦定理:
a2=b2+c2−2bccosA
※この公式は、変形して
cosA=(b2+c2−a2)/2bc
として、使うことも、よくあります。
※余弦定理におけるcosは、プラスの場合も、マイナスの場合もあります。
A、B、Cや辺a、b、cなどの位置関係は下の図を参照してください。
正弦定理と余弦定理の使い分け
正弦定理は、求めなければならないものを含めて、角2つと辺2つで構成されています。
余弦定理は、求めなければならないものを含めて、角1つと辺3つで構成されています。
問1.△ABCにおいて、AC=3、sinB=2/5、sinC=2/3のとき、ABの長さを求めよ。
<1>
これは、sinがあるので、正弦定理を使うのは、ミエミエなのですが、ちゃんと角2つ、辺2つになっていることを確認してください。
この場合ACがbに、ABがcにあたります。
(ACにはBがないのでb、ABにはCがないのでcと、考えると楽です。)
<2>
3/(2/5)=AB/(2/3)
3÷(2/5)=AB÷(2/3)
3×(5/2)=AB×(3/2)
15/2=3AB/2
3AB/2=15/2
AB=15/2 × 2/3
AB=5
※最初なので、丁寧に途中式を書いてみました。
問2.△ABCにおいて、BC=5、sinA=3/4、AC=3のとき、sinB及び外接円の半径を求めよ。
<1>
これも、正弦定理を使うことは、ミエミエです。
BCがa、ACがbに該当します。
<2>
5/(3/4)=3/sinB
20/3=3/sinB
(20/3)sinB=3
sinB=3×(3/20)
sinB=9/20
※20/3=3/sinBの次に、
3/20=sinB/3としてもOKです。
<3>
続いて、外接円の半径を求めます。
2R=5/(3/4)
2R=20/3
R=10/3
問3.△ABCにおいて、AB=4、BC=3、cosB=1/6のとき、ACの長さを求めよ。
<1>
これは、cosがありますから、余弦定理になりますが、やはり、辺3つになっています。
ABがc、BCがa、ACがbにあたります。
<2>
AC2=42+32−2・4・3・1/6
AC2=16+9−4
AC2=21
AC=√21
※長さに、マイナスはありませんから、答えは当然プラスのほうだけになります。
問4.△ABCにおいて、a=√7、b=2、c=1のとき、∠Aの大きさを求めよ。
<1>
これは、辺が3つありますから、余弦定理を使います。
ただ、いきなり∠Aは求められませんから、とりあえずcos∠Aを出すことになります。
ですから、余弦定理の変形パターンを使うほうがよいと思います。
<2>
cosA=(b2+c2−a2)/2bc でしたよね。
cos∠A=(22+12−(√7)2)/2・2・1
cos∠A=− 1/2
cos60°が1/2になりますが、この場合はマイナスがありますから、−cos60°ということです。
cos(180°−θ)=−cosθ という公式を覚えてますか?
ここでは、
cos(180°−60°)=−cos60°
となりますから、180°−60°=120°が答えになります。
問5.△ABCにおいて、AB=2、BC=3、∠ABC=60°のとき、
(1)ACの長さを求めよ。
(2)△ABCの外接円の半径を求めよ。
<1>
(1)においては、AB、BC、ACと、辺が3つでてきますから、使うのは余弦定理になります。
ABがc、BCがa、ACがbになります。
あと、cos60°=1/2ということは、計算前におさえておきましょう。
<2>
AC2=22+32−2・2・3・1/2
AC2=7
AC=√7
<3>
(2)は、「外接円の半径」ですから、正弦定理です。
ということで、sin∠ABC=sin60°=√3/2が必要になります。
ちなみに、∠ABCは、Bにあたります。
2R=√7/(√3/2)
2R=√7×(2/√3)
2R=2√7/√3
R=√7/√3=√21/3
問題演習
1.△ABCにおいて、B=105°、C=30°、c=20のとき、aの長さを求めよ。
2.△ABCにおいて、a=5、b=8、C=60°のとき、cの長さを求めよ。
3.△ABCにおいて、AB=3、BC=2、CA=4のとき、
(1)cos∠ABCの値を求めよ。
(2)△ABCの外接円の半径を求めよ。
解 答
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