数Tミニマム講座 5.三角比 三角形の面積

 この講座も、いよいよ最後まで、きました。
 あともう少しです。(^^ゞ




 ここで、覚える必要のある公式は、1つです。

S=1/2 bcsinA
というものです。

※2つの辺と、その間にはさまれた角を使ったsinが、必要になります。


実は、もう一つ、ヘロンの公式という3辺を使った公式があるのですが、ここでは取り上げません。

理由1.
現在の指導要領では、「ヘロンの公式には、深入りしないように」となっています。
(使ってはいけないというわけではないので、実際は微妙なところですが。)

理由2.
3辺から面積を求めさせるような問題においても、ヘロンの公式を知らなくても解くことは可能です。
(多少、面倒には、なりますが。)
詳しくは、この後の問3.を、ご覧下さい。



問1.△ABCにおいて、∠A=60°、AB=6、AC=10とするとき、△ABCの面積を求めよ。

<1>
これは、AB=c=6、AC=b=10、sin∠A=sin60°=√3/2ということですから、公式をそのまま使うだけです。

<2>
S=1/2・6・10・√3/2
S=15√3



問2.△ABCにおいて、AB=5、BC=4、面積が5√3のとき、sinB及び∠Bの大きさを求めよ。

<1>
これは、AB=c=5、BC=a=4、面積5√3を、公式に代入して式を作れば、sinBを求めることができます。

<2>
1/2・5・4・sinB=5√3
10sinB=5√3
sinB=√3/2

<3>
残りは、∠Bということですが、
sinB=√3/2ということは、∠B=60°です。

ただ、sin(180°−θ)=sinθという公式がありましたよね。
ここでは、sin(180°−60°)=sin120°=sin60°=√3/2ですから、
120°も答えになります。

答え:60°、120°

※三角形においては、特にことわりがない場合には、角の大きさは、0°<θ<180°で、考えてください。



問3.△ABCにおいて、AB=13、BC=15、CA=14のとき、
(1)cosAを求めよ。
(2)△ABCの面積を求めよ。


<1>
この問題は、最終的には面積を求めるものです。
本来なら、3辺があるので、ヘロンの公式を適用してもおかしくない問題です。
ただ、上記の理由から、ヘロンの公式は使いませんので、この問題のような手順を踏むことになります。
(この問題も、ヘロンの公式を使わないようにという方針のもとに作られています。)

<2>
まずは、(1)からです。
AB=c=13、BC=a=15、CA=b=14で、
cosA=(b+c−a)/2bcを使います。

cosA=(14+13−15)/2・14・13
cosA=5/13

<2>
(2)は面積ですから、欲しいのは2辺にはさまれた角を使ったsin(ここでは、sinA)です。

cosAがわかってますから、sinθ+cosθ=1を使えば、sinAは求められます。
この場合は、sinAはプラスになります。

sinA+(5/13)=1
sinA=144/169
sinA=12/13

<3>
いよいよ面積を求めます。
b=14、c=13、sinA=12/13です。

S=1/2・14・13・12/13=84

※以上のように、3辺から面積を求める場合には、
@cosθを求める。
Asinθを求める。
B公式を使う。
という手順になります。



問題演習

1.△ABCにおいて、AB=5、BC=7、CA=8のとき、
(1)∠Aの大きさを求めよ。
(2)△ABCの面積を求めよ。

2.△ABCにおいて、a=3、b=2で、面積が3√15/4のとき、cの長さを求めよ。 ただし、△ABCの全ての角は、鋭角とする。


解 答


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