1.英文解釈

 ここでのターゲットは、「下線部を訳しなさい」というタイプのものではなく、 いわゆる、長文問題を読みこなしていく、ということにします。

 そして、長文を読んだ経験は、おそらくみなさんはお持ちでしょうから、1から10まで解説していくという形ではなく、 何らかの「コツ」みたいなものを、書いていきたいと思います。

 以下の内容は、重要な順番ではなく、単に思いついた順です。^^;



@「英語は、頭から訳す」
 まず、例文からです。とりあえず、訳してみてください。

 I think that Mary is a girl who came from Canada .

 「私は、メアリーはカナダ出身の女の子だと思う。」

 結果的には、こんな感じでかまわないと思いますが、丁寧に訳す必要のない所だったら、ここまでしなくてもというのが正直な気持ちです。
 自分自身、次のように訳すと思うからです。( )内は独り言です。

 I think → 「私は思う」(何を?)
 that   → (これは、訳す必要のない単語だな)
 Mary is → 「メアリーは、〜です。」(で、メアリーって何者だ?)
 a girl  → 「女の子」(そりゃそうだろう。で、どういう女の子?)
 who   → (関係代名詞だから、説明文が次から始まるな)
 came from→ 「〜から来た」(で、どこから?)
 Canada  → 「カナダ」(そういうことね)

 文章にすると複雑になってしまいますが、実際は、ほとんど瞬間的に行っていることです。
 もし、この文章が「下線部を訳せ」という部分に該当していなければ、これ以上は、(並べかえたりして)訳しなおすことはしません。 何を言いたいのかは、もう十分にわかっていますので。

 英語というのは、原則として重要な順番に、単語が出てきますから、 「頭から訳す」という習慣を身に付ければ、英語を話す人達が考えている重要度がわかってきます。

 そして、そのことは「整序英作文」でも、威力を発揮します。
 「整序英作文」とは、重要な順番に、単語を並べるということですから・・・。

 この項の最後として、
 「通訳」の人は、どのように訳しているのだろうか?ということを考えれば、「頭から訳す」ということは、別に変則的な方法ではないと思います。



A「絶えず、疑問を持つ」
 @の訳の説明にもたびたび出てきましたが、「頭から訳す」場合には、この「絶えず、疑問を持つ」ということが大切になってきます。 具体的に、どのように行うかは、上の独り言の部分を参考にして下さい。
 英語の文が長くなる原因というのは、説明の部分がどんどんくっついていくからなんです。ですから、「だから」「それで」「なんで」「なにが」「どんな」と思って、読み進んでいけば、 次から次へと、説明してもらえます。



B「先を予測する」
 入試で出てくる長文というのは、だいたい次のようなパターンになります。
(1)何かの説明、解説。
(2)淡々と話しが進む。
(3)最後にオチがつく。

(1)(2)は、常識的な予測が結構通用します。
例えば、
 Basketball is not an old game.
という文で始まっていれば、ここから先は、
おそらく、バスケットボールの説明になっているはずです。
いつごろ、どこで、誰によって、なぜ、始まったのか。
そんなところが出てくるでしょう。

 Tobacco was introduced to Europe by Columbus.
であれば、たばこの話しか、コロンブスの話です。
もし、たばこの話しであれば、「喫煙は健康に悪い」という
結論というか意見が必ずあるはずです。

 John was playing with a ball.
とあれば、Johnが有名人でない限り、淡々と話しが進んでいきます。
Johnが万引きをしたり、殺人を犯したりということは、まず、ありえません。 仮にカンニング程度のことを考えていたとしたら、その場合には、 かなりまぬけな理由によって、失敗するというオチがつくはずです。
(悪いことをしたが、そこから立ち直ったという美談の可能性もあるかもしれませんが。)

入試問題の英語長文では、それほどとっぴな話しは出てきません。
常識的な判断で、大はずれということはないでしょう。



C「わからないときの逃げ方」
 すらすら訳せている場合には、問題はないのですが、つっかかってしまうことは実際にはよくあります。多くは、わからない単語にぶつかったときなのですが・・・。 そんなときの対処法について説明したいと思います。あくまで、逃げ方ですからね。念のため。

 まず、例文です。ちょっと、チャレンジしてみてください。
 (中身はあまり意味のないものですけど。)

 A hippopotamus is fortunately forgiven his negligence .

 どうでしょうか?
 これを、すらすら訳せたとしたら、ちょっと普通じゃないです。
 わからない単語が、ほとんどというほうが普通のような気がします。

(ここでは、isとhis以外はよくわからないという前提で説明します。)
 
 A hippopotamus これは「主語」です。ですから「hippopotamusは、」と訳します。
 is これは「be動詞」ですね。
 fortunately これはなんだかわかりませんが、−lyで終わっている単語は通常副詞ですから、抜かしてもほとんど影響はありません。 (ただし、hardlyだけは、抜かしてはいけません。意味は、・・・自分で調べてみてください。)
 forgiven これもよくわかりませんが、−givenという部分を見るとなんだか「過去分詞」みたいですよね。 そうすると、前に「be動詞」がありましたから、「受身(受動態)」ということになります。ですから、「forgivenされる」とでも訳しましょう。
 his これは、「彼の」という意味ですから、「hippopotamusの」とすれば十分です。抜かしても、あまり影響はないでしょうけど。
 negligence これは、お手上げです。「negligence」のままでしょうがないでしょう。

 これらを、合わせると
 「hippopotamusは、彼の negligenceを、forgivenされる(されている)」
 となります。
 これだけでは、何がなんだかわかりませんが、おそらく前後に文章があるでしょうから、とりあえずこんな感じでかまわないと思います。
 これだけ、未知の単語ばかりなのですから、「hippopotamusは、何かされるんだな」位にして、先に進むことが大事だと思います。
 わからない単語だらけになると、立ち止まったり、そこであきらめたりしてしまいがちになりますが、とにかく先に行きましょう。後から、わかってくる場合もありますから。



D「問題文をヒントとして使う」
 例えば、長文の後に次のような設問があったとします。

問 本文の内容と最も合っているものは、次のうちのどれか。
 @医者はTomが二度と目を覚まさないと言った。
 A犬を病院に連れてくるのは普通ではないと看護婦は言った。
 BBenが病院に来て7か月後にTomは元気になった。
 Cお母さんが犬の名前を言ったときにTomは反応した。
 DTomは犬を追いかけて道路へ走り出た。


なんとなく、どんな長文なのか、雰囲気は出ている気がします。

 もちろん、5つのうち、4つはウソなのですが、
そのウソは、細部だけが異なっている場合がほとんどです。
(あまりにも、かけはなれたウソを選択肢にしてしまうと、
簡単にばれてしまうので、問題作成者も苦労するわけです。)
ですから、上の@〜Dは、ほとんどが本文の内容通りなんです。
長文の内容を予測するには、十分なヒントですよね。
ちなみに、ばれにくいウソというのは、100%のウソではなく、真実が適度に含まれているウソだそうです。でも、これは真実過剰ですね。(^^ゞ


上記のような設問があったとしたら、長文を読む前に目を通しましょう。


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