このページの最終更新日 2005.05.22

各ルートの解説
(5)中学卒・高校中退から看護師へ

 ここでは、中学卒や高校中退した方が、看護師をめざす場合には、どういう方法(手段)が、あるのかということについて、書いてみました。

 ただ、高等学校卒業程度認定試験(以下、高卒認定)や定時制・通信制・単位制の高校のことなどについては、専門のHPやガイドブックなどによって、より詳細に、より正確に、調べてみることを、おすすめします。
(あくまで、きっかけの一つになれば、というのが、このページの主旨ですので・・・。)

 ※高卒認定は、旧「大検」に代わって、17年度から実施されるものです。

 また、ここで書いたことは、正直言って、あまり現実的ではないかなと思うようなこともあります。
 ですから、置かれている状況、周囲の環境、最終目標などによって、どういう選択が、一番良いのかは、ご自分で判断していただければと思っています。


 あと、ここから先のことは、既卒者を対象に考えてあります。
 現在、中学生で、進路を考えている方向けの内容では、ありませんので、ご了承ください。



1.中学卒資格のままで。

 これは、方法は一つしかありません。

 准看護学校→准看護師として、実務経験3年以上→進学コース

 准看護学校が、2年。
 実務経験が、3年。
 進学コースが、2年。(3年の場合もあり。)

 ということですから、看護師になるまでには、最低でも、7年は、かかることになります。




2.高卒認定に合格して、看護学校の受験資格を得る。
  ※この場合の看護学校は、准看護学校以外のものということです。

 これは、高卒認定を受ける時期によって、大きく2つに分けられます。


(1)准看護学校に、入学して、その後に高卒認定に合格する。

 要するに、1.の実務経験3年というところを、期間短縮してしまおう、ということです。

 准看護学校在学中に、高卒認定に合格してしまえば、准看護学校卒業と同時に、進学コースに、進むことも可能になってきます。

 ただ、准看護学校の勉強・実習と、高卒認定に向けた勉強とを、併行していくのは、ものすごく大変なことだと思います。

(どうしても、この方法でいく場合には、1年生のときに、高卒認定で「全科目合格する・大多数の科目に合格する」ことができるかどうかが、鍵になると思います。2年生になると、学校のほうの勉強が病院実習が中心となり、よりハードになってきますので。)

 現実的には、准看護師として働きながら、高卒認定の勉強をして、実務経験が3年になる前に、高卒認定合格→進学コース入学というほうが、可能性は、大きいような気がします。



(2)高卒認定に合格してから、看護学校を受験する

 今まで、述べてきた中では、これが、一般的な方法ということになるのかもしれない、という気がします。

 高卒認定に合格してしまえば、レギュラーコース・短大・大学でも、受験することが可能になりますので、選択肢は、広がります。

 もちろん、看護学校の受験のための勉強も、別途必要になりますが、高卒認定向けの勉強が役に立つ(事前準備になる)というのは、十分にありうることだと思います。



 ここからは、高卒認定について、簡単に説明してみますね。

 高卒認定に合格すると、大学などへの受験資格を得ることになります。
(高校卒ということではないのですが、高校卒と同程度とみなされるので、受験においては、同等の効力を持ちます。)

 平成17年度から、従来おこなわれてきた大学入学資格検定(大検)に代わるものとして、年に2回実施され、8もしくは9科目に合格すると、全科目合格者ということになります。(いわゆる、高卒認定に合格した、ということになります。)

※高校中退者などで、なんらかの科目の単位を取得している場合には、その科目は「免除科目」という扱いになり、負担が減る場合もあります。(絶対ということでは、ありませんが。)


 高卒認定を受験する方の多くは、中学卒や高校中退の方ということになると思いますが、高校在学中の方も受験は可能です。詳しくは、文部科学省のHPなどをご覧ください。

 前述の「免除科目」と、高校在学者もOKということから、「高卒認定と定時制・通信制・単位制高校などとの合わせ技」という手段も可能ということになります。

 つまり、ある科目は、定時制・通信制・単位制などで単位として取得し(免除科目として)、高卒認定試験で受ける科目を減らして、という方法もできるということになります。



 ※単位として取ったものが「免除科目」になるのかどうかは、事前に、きちんと調べておく必要があると思います。
 (この情報は、文部科学省のHPにあります。)

 ※通信制の高校の場合、入学試験がなく、期日までに必要書類を提出すれば、入学できるという場合も、多くあります。




3.高校卒資格を先に取得する
 高卒認定を利用せずに、高校に入って、卒業するという正攻法も、あります。

 この場合、通常は、3年もしくは、4年はかかるのですが、高校中退者の場合は、(中退するまでに取得した単位の数などによっては)2年生・3年生などに編入できる場合もあります。

 また、最近増えてきている単位制の高校の場合、通学する時間帯などが、かなり自由度が高くなっていますので、定時制では時間のやりくりはできないけれど、通信制では自己学習が多くなるので不安という方にとっては、メリットがあるかもしれません。





4.准看護学校と高校との同時進行
 准看護学校卒業→1〜2年後に高校卒業→進学コースなどの受験、という感じになります。

 これには、2つの方法があります

(1)准看護学校入学と同時に、高校にも入学し、両者の勉強を進めていく

 これは、准看護学校在学中に、高卒認定に合格してしまう、という方法に近いものですが、大変さという点では、こちらのほうが上かもしれません。

 というのも、高卒認定の場合は、うまくいけば、一年で終わらせることもできるのですが、この方法では、高校のほうが通常は3〜4年かかるために、准看護学校の2年生の時期にも、併行して勉強していく必要があるからです。

 状況によっては、准看護学校2年次には、高校のほうは、休学するとか、教科数を減らすとか、そういう方法も考慮したほうがいいかもしれません。

 また、ここで言っている高校というのは、通信制というのが、もっとも現実的かもしれませんが、状況によっては、定時制や通信制でも可能な場合があると思います。


(2)通信制高校の衛生看護科に入学する
 「通信制高校の衛生看護科」という呼び方は、かなり誤解を招く表現かもしれないと思います。でも、正式な呼び方なんです。

 通信制高校について、ネットやガイドブックなどで調べると、多くは「普通科」なのですが、中には「衛生看護科」もあることに気づくと思います。

 これは、技能連携制度というものに基づいておこなわれていて、具体的には、通信制の高校と技能連携をおこなっている准看護学校に入学すると同時に、通信制にも入学するというシステムになっています。

 そして、看護関連のことなどは、准看護学校で学び、その他のことについては通信制高校で学ぶということになります。

 上記の(1)と、大雑把にみれば、やること(やらなくてはならないこと)は、変わりはないように思えますが、2つの学校間で重複する科目については、調整がされている可能性がありますから、詳細などは、当該校のHPを見たり、問い合わせをするなどして、直接、確認してみてください。

※技能連携については、すべての准看護学校・通信制高校との間におこなわれているわけではなく、「そういうことをおこなっているところも、中にはある」という感じで、考えていて欲しいと思います。



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