裏ページ ポチものがたり
大和食堂の日々
看護学校も、学校ですから、当然のように、テストというものがあります。
ただ、いわゆるペーパーテストだけでなく、実技テスト（チェック）もあるんですよね。
実習というと、病院実習がメインなんですけれど、
病院実習に行くには、載帽式を迎えられなければならないし、
さらに、その前には、学内実習というのをクリアしていかなければならない。
看護学校って、だいたい、そういうシステムになっているんですよね。
それで、実技チェックもテストである以上、
落ちる場合も出てきてしまいます。^^;
その場合、再チェックを受ける前には、自己学習（練習）が義務付けられていて、
チェックに落ちると、そのために、居残り練習するはめになるんですよね。
ポチは、どちらかというと再チェックの常連でした。(ｰｰ;)
ポチだけじゃなくて、タローも、ジョンも、ペスも、ということなのですが・・・。
再チェックの常連
→居残り練習の常連
→居残りをすると、お腹がへる
→学校帰りに、どこかで食べていく＆飲んでいく
その場所が、学校近くの「大和食堂」でした。
必然的に、「大和食堂」は、野郎の溜まり場ということに、なりました。
入学後、初めての学内実習は、ベッドメーキングでした。
とにかく、最初の実技ということで、緊張感はあったのですが、
甘く考えていたのも、事実でした。^^;
説明を聞き、先生のデモンストレーションを見学。
それから、事前に分けられていたグループ（ペア）で、実際にやってみるということになります。
各グループには、担当の先生がいて、目を光らせているという状況になります。
ポチは、そのときは、タローとのペアで、ところどころ、担当の先生に聞きながらも、なんとか少しずつ進めていくことができました。
ただ、見ていたときと比べて、結構体力は使う（中腰姿勢が多い）、手順が複雑、という印象はありました。
順調に、と思っていたものの、長くは続きませんでした。^^;
となりのベッド（違うグループなので、担当の先生も違う）で、やっていた二人は、ああでもない、こうでもない、という感じで、トロトロとやっていた、その時・・・。
いきなり、
「あなたたちは、やる気があるの！」(~_~ﾒ)
という、どなり声が、聞こえてきました。
一瞬のうちに、各ベッドは、フリーズ状態・・・。
その後も、その２人への集中豪雨は、やむことがありませんでした・・・。
（横目で見ると、２人とも、涙目に・・・。）
怒号？罵声？叱責？試練？
そんな言葉が、意味もなく、ポチの心の中をよぎっていき、
「いつかは、自分も・・・。(ｰｰ;)」
そんな恐怖が、植え付けられていったのでした・・・。
各実技ごとに、担当の先生は、変わっていくので、いつかは、その先生にあたることは、間違えないんですよね・・・。
それまで、割と順調にいっていた、ポチとタローも、あおりをうけて、そこからは、なんだかボロボロになってしまいました。
そして、迎えたチェックの日。
結果は、野郎は全滅。(T_T)
クラス全体でも、２／３位は、不合格でした。
時間内に終わらなかったり、
完成はしても、ちょっと触ると、シーツがくしゃくしゃになったり、
というのが不合格の主な理由でした。
こういうこともあるだろうということは、前々から思っていたので、
その点でのショックは、少なかったのですが、
「いつまでたっても、受からない」
そんな気がしてきてしまいました・・・。(ｰｰ;)
ポチを始め、野郎どもは、みんな、時間切れの時点で、
半分も終わっていなかったんですよね・・・。
完全なる落ちこぼれというか、最下層民・・・。
急遽、野郎全員での緊急会議召集。
一週間後の再チェックまで、毎日、居残り練習をしていくことにしました。
で、練習が終わったあとは、「大和食堂」で、仲良く夕食・・・。
でも、口を出るのは、愚痴かため息・・・。(T_T)
「ここまでやって、だめだったら深刻だよな・・・。」
「そうなったら、俺、辞めます。」
その言葉を、誰も止めない・・・。(ｰｰ;)
考えていることは、みんないっしょだったんですよね・・・。
そんな中で、迎えた再チェックの日。
予想に反して、今度は、野郎全員、見事、合格！(^^ゞ
だめだったら、辞めるつもりだったから、
必死さ、集中力は、すごいものがあったんでしょうね。
それにしても、努力は報われる。ホントに、実感。
当然のように、その夜は、
「大和食堂」にて、ささやかな祝杯。
「もう、ここに来なくてすむようにしような！」
「おお！」
威勢は良かったんですが、
お察しの通り、翌週も、また、さらに次の週もと、
「大和食堂」の日々は、途絶えることなく、続いていきました。
一度や二度じゃ、懲りないやつら・・・。^^;
（いい加減、目を覚ませよな・・・。）
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