Message (5)受験前日に読むページ
おことわり
このページは、受験前日に読んで欲しいと思っています。
緊張感・不安感がピークになっている受験前日と、それ以外の時とでは、受取り方が違うと思われるからです。
また、それ程、ものすごいことが書いてあるわけではありませんので、効力があるのは、おそらく一回限りです。
ですから、可能であれば、このページは「そのとき」がくるまで、とっておいていただければ、幸いです。
受験を、明日に控えた心境は、どんなものでしょうか?
緊張感・不安・プレッシャー・心配・・・。
いろいろな思いがよぎっていることと思います。
しかも、こんなときに浮かんでくるのは、どちらかというと、あまり良いイメージにつながるものではないんですよね。
でも、それが普通なんです。当たり前のことなんです。
だから、それらを打ち消したり、悪いことだと考える必要は、ありません。
これって、言ってみれば、お産の前の陣痛みたいなものです。
「もうすぐ産まれるよ」というメッセージ、儀式なんです。
陣痛を経なければ、お産はできません。
そして、産まれてくるのは、「看護学生としてのあなた」です。
あと、「もっと、きちんと勉強をしておけばよかった」という気持ちは、誰もが持つものでしょう。
でも、考えて欲しいことが、あります。
今回の受験勉強を始めた当時のことです。
勉強はスムーズに進みましたか?
問題は、順調に解けましたか?
それが、現時点では、どうでしょうか。
確かに、完璧ではないかもしれません。
まだまだ、やり足りないことも、あるかもしれません。
それでも、少しは(もしくは、かなり)進歩している。
そんな気持ちはしてきませんか?
自分なりに、結構頑張ってきたなと、思えませんか?
例えば、リハビリで歩行訓練をしている患者さんがいるとします。
その人は、毎日訓練を続けているが、2、3歩しか足が出ないとしたら、あなたは、どう評価しますか?
他の人と比べて、「歩けないんじゃ、ダメだ」と思いますか?
元気な時の本人と比べて、「歩けないんじゃ、ダメだ」と思いますか?
それとも、入院当時と比べて、
「あの時は、立つこともできなかったのに、すごい進歩じゃないか」と思いますか?
どの評価が正解とは、書きませんが、もしあなたが、患者さんの進歩を認めてあげられる人であるならば、どうして、自分自身の進歩を認めてあげられないなんてことになるのでしょうか?
完璧な成果が出ていない=進歩していない。
この考えは、正しいのでしょうか?
受験において、学力をつける、ということは重要なことです。
ただ、この段階では、今からできることは、あまりありません。
でも、もう一つの重要なファクターである、持っている力を最大限発揮する、ということは、これからできること(これからすること)です。
このことを考えてみましょう。
日頃、80点取れる実力の人が、本番で半分の力しか出せなかったら、40点ということになります。
日頃、60点の人が、100%力を出しきれたら、60点になります。
あっという間に逆転です。
大事なことは、力を出しきることは、これからできることだということです。
学力をつけるということは、言わば過去のことです。
過去は、どうあがいても、変える事はできません。
(試験開始の直前まで、勉強することを否定するわけではありません。念のため。)
過去のことを嘆くより、変えられる可能性が残されている、未来のことを考えましょう。
それが、現実的対応というものです。
では、力を出しきるためには、どうすればよいのかということを、今度は具体的な方法論も含めて書いてみます。
キーワードは「足し算思考」です。
試験開始の段階では、受験生全員、持ち点はゼロです。
そこから、5点、10点、15点・・・と増やしていくことを考えればいいということです。
ですから、途中でできない問題が出てきても、点数がそこでは増えないだけで、減ってしまうわけではないんです。
できない問題などがでてくると、それに気を取られてしまうことは、よくあります。
でも、合格するために、満点が要求されているわけではないこと。
持ち点が100で、そこから減点されていくわけでもないこと。
それらのことを考えると、できない問題にこだわるのではなく、できる問題を一つでも増やすという方向が、良いような気がします。
そして、この「足し算思考」をうまく使うためには、
わからない問題や時間がかかりそうな問題は、勇気を持って、抜かすということが必要になります。
別に、順番通りにやらなければいけないというルールが、あるわけではないんです。
誰に教わったわけでもないのに、問1から順番にやっていく人が多いのは、どうしてなんでしょうね。
しかも、抜かすことに心理的抵抗を感じる人も多いんですよね。
自分のやりやすい問題から手をつけていっても、OKなんです。
眠れない場合には。
なんだか、目がさえてきてしまって、眠れない場合もあるかもしれません。
そんなときには、目をつぶって、横になっているだけで、十分に休養がとれるということを知っておいてください。
少なくとも、一日くらい平気で、乗りきれます。
体力的にも、脳力的にも、何の問題もありません。
問題があるとすると、
「眠れなくて、大丈夫だろうか」
と心配することのほうだと思います。
最後に。
「やれるだけ、やる」
そのことを考えているだけで、十分です。
不安や緊張感は、しょうがありません。
でも、不安があっても、プレッシャーがあっても、全力を尽くすことはできます。
それに、もしうまくいかなくても、命までとられるわけではないんです。
それでは、遅刻しないように、忘れ物をしないように、行ってきてください。
健闘を、祈っています。
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