2.看護婦・看護士への基礎講座 (2)学校の種別2001.5加筆・修正
ここは、看護婦・看護士への道には、どのようなルート(学校)があるのかの、基本的な解説です。
<1.看護婦・看護士になるための学校>
〜以下の学校を卒業すると、看護婦(士)国家試験の受験資格が得られます。
※いわゆる、正看のことです。
・大学
受験資格は高卒。4年間。併せて、保健婦(士)や助産婦の国家試験の受験資格が得られる所もあります。
・短期大学
受験資格は高卒。3年間。
・専門学校(レギュラーコース、3年課程)
受験資格は高卒。通常は3年間。4年制の昼間定時制も少数ながら、あります。
※大検合格者も、高卒と同等の扱いになります。
※受験科目は、各学校によって、異なりますが、高校範囲以上のレベルです。
※簡単なアルバイト程度は、可能かもしれませんが、4年制レギュラー以外は、働きながら通うのは、非常に困難です。
特に、実習が始まるようになると、余計、厳しくなります。
・高校の衛生看護科(5年一貫教育の場合)
受験資格は、中卒。3年間+2年間。
高校なので、高卒資格も取得できます。(3年修了時に)
<解説>
衛生看護科は、従来、准看護学校+高校という性質を持っていました。
そのため、准看護婦・士の養成という側面と、高校教育という側面とがあり、もともと時間数の多いカリキュラムになっていました。
ところが、平成14年度入学者から、准看護学校のカリキュラムが変更になります。
(1500時間から1890時間へ)
つまり、准看護婦・士養成というためには、時間数を増やす必要があるということです。
そのことへの対応は、4通りということになります。
@カリキュラムの時間数を増やして、准看護婦・士養成を続けていく。
〜時間数を増やす余地というのは、もともとありませんから、現実問題としては、なかなか厳しい対応だと思います。
A5年一貫教育ということにして、いわゆる正看護婦・士を養成することにする。
〜この対応が一番多いのでは、と思われます。
ただ、5年一貫教育とは言っても、3年間の高校生活+専攻科の2年間という点では、従来といっしょです。
では、何が変わるのかというと、
(1)3年修了時(高校卒業時)には、「准看護婦・士資格試験の受験資格は得られない」
(ただ、高校の卒業資格は、得られます。)
(2)専攻科への進学は、原則として卒業生全員ということになり、専攻科に進むにあたっては、入学試験等の選抜はない。
(3)この場合の専攻科へは、外部から、入学することはできない。
ちょっと、わかりづらいかもしれませんが、
5年一貫教育(=高校の衛生看護科+専攻科)というのは、たてまえは、別々の学校(課程)。実質は、一つの学校ということです。
Bカリキュラムの時間数を増やすことはせずに、資格取得を前提としない学校になる。
〜言ってみれば、「看護」という学問・教養を身につけるための学校ということです。
こうなると、なんだか、存在意義があるのだろうかという気もしますが、将来は、看護大学などに進みたいが、看護の勉強も早くしてみたい、という人などには、いいものなのかなという気はします・・・。
C募集停止にする
〜かなり、思い切った対応という感じですが、例えば、栃木県などでは、14年度からは、衛生看護科は、募集しないと正式に発表しています。
※ここにあげた@〜Cというのは、あくまで、おこなうことができる選択肢ということで、実際には、AかCの対応が多いのでは、と思われます。
<2.准看護婦・准看護士になるための学校>
〜以下の学校を卒業すると、准看護婦(士)資格試験の受験資格が得られます。
・准看護学校
受験資格は、中卒。2年間。
授業は、週3〜4日で、授業は午前+午後。
または、週5〜6日で、半日=午前または、午後。(午前+午後の日が1日程度ある場合も。)
※数は多くないのですが、いわゆる全日制になっている准看護学校もあります。
※半日授業のところも、病院実習の際には、午前+午後ということで実習をおこなうことがほとんどです。
※授業のない日や時間に、病院勤務をしている人が多かったりしますが、働いていない人や他の業種で働いている人も増えてきているようです。
また、病院勤務を原則としては、勧めないという学校もあります。
※平成14年度から、カリキュラム改正になります。
従来は、2年間の総時間数の下限は、1500時間だったのですが、それが、1890時間が下限ということになります。
<3.准看から正看になるための学校>
〜以下の学校を卒業すると、看護婦(士)国家試験の受験資格が得られます。
※准看護婦(士)の資格取得者または見込み者しか、受験することができません。
何の資格もない状態では、受けることはできない学校です。
・専門学校(進学コース、2年課程)
受験資格は、准看資格+高卒(または、准看資格+中卒+実務経験3年)。
2年間。(定時制は、3年)
・短期大学
受験資格は、准看資格+高卒。2年間。
※3年制で正看を目指す短大とは、課程が違います。ご注意を。
・衛生看護専攻科
受験資格は、准看資格+高卒。2年間。
※※平成14年度から、2種類の専攻科が存在することになります。
@従来通りの専攻科で、衛生看護科出身でなくても、受験可能なもの
A5年一貫教育の衛生看護科の最後の2年にあたる専攻科
〜こちらは、外部から受験・進学することはできません。
専攻科の受験を考えていた方は、自分が受ける(受けよう)としている専攻科が、どちらのタイプのものなのかは、当該校に、早めに、お問い合わせください。
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