5.単語・熟語

<単語編>
 単語を覚えるという言い方は、割とよくしますが、実はいろいろな問題を含んでいるものです。 ここでは、その点について、考えてみたいと思います。

1.どこまでできれば、覚えたと言えるのか。
単語を覚えることの中には、次の4つの要素が含まれています。
@読むことができる。
A意味がわかる。
B書くことができる。
C派生語を書くことができる。


@読むことができる。
 これは、文字通り、dogならば「ドッグ」、beautifulならば「ビューティフル」と読めるかどうかということです。 数種類の母音も区別ができて、RとLも区別できる、さらに・・・、というようになれれば理想的です。 しかし、「英会話」が目的ではないので、あまり神経質になる必要はないのでは、とも思います。 いわゆる、日本人的発音でとりあえずは、OKとしておいたほうが、精神衛生上良いような気がします。

 さらに、「入試」ということを考えれば、「英文を声を出して読みなさい」という試験問題はないでしょうから、仮に全然読むことができなくても、Aで述べるように「意味」さえわかれば、なんとかなります。 (発音・アクセントの問題では、苦労するかもしれませんが。)


A意味がわかる。
 これは、絶対にできなくてはいけないことだと思います。@〜Cでは、最重要です。極端なことを言ってしまえば、これさえなんとかなれば、最低限の条件はクリアです。

 しかし、問題が1つあります。辞書や単語集を見ると、1つの単語に対して、意味がいくつも書いてあるということです。 それらを全部覚えるとなると、非常に大変なことになります。さあ、どうしましょうか?

 単語集によっては、重要な意味は太字になっている場合があります。この場合、太字のものを覚えていくというのも、1つの方法です。
 自分自身の経験を振り返ると、先頭に書いてある意味だけを、覚えるというのも、また1つの方法だと思います。 ただ、この場合には、知っている意味ではうまく訳せない文に出合ったときには、辞書や単語集で意味を調べて、その意味を記憶に追加するという作業が必要になりますけれど。


B書くことができる。
 もちろん、これもできたらそれにこしたことはありませんが、「志望校の過去問」が、マークシートや選択式で書かせるタイプの問題がない場合には、必要性は少なくなると思います。

C派生語を書くことができる。
 これは、Bともからんでいますが、ターゲットは不規則変化するものです。動詞の場合には、「過去形・過去分詞形」。名詞の場合には、「複数形」。形容詞などでは、「比較級・最上級」となります。 どれ位まで、覚えるかは、やはり「志望校の過去問」次第だと思います。



2.どうやって、覚えるのか。
 単語の覚え方は、いくつかあります。書いて覚える、読んで覚える、見て覚えるなどです。方法は、自分の好みでかまわないと思います。誰にとっても、一番良い方法というのはありませんから。

 これまた、自分自身の経験を振り返ると、典型的な「見て覚える」方法でした。
単語を見る→2〜3秒だけ意味を考える→わかってもわからなくてもすぐに意味を見る
→合っていたら満足し、合っていなかったら「ああ、そうか」と納得する。
→すぐに、次の単語に進む。(1つの単語で、かける時間は10秒くらいまで。)

 なぜ、こんな方法をとったのかというと、
(1)入試では、見て意味がわかるかどうかということが一番重要。
(2)反射的に、意味が出てくるくらいにならないと、本番では通用しない。
(3)反射的に、意味が出てくるくらいに覚えていると、忘れにくい。
(4)とにかく、繰り返す回数を多くしたい。

 こんなことを、思っていたからです。
 ただし、これが最高の方法というわけでは、ありません。書いたほうが、覚えやすいなどと感じる人は、自分の感覚に素直になってください。 人によって、やりやすい方法は違います。


 もうひとつ考えるべきことがあります。
 それは、計画的に少しずつ覚えていくのか、一気に覚えてしまうのかという問題です。

 具体的には、「1日に例えば20語ずつ、毎日覚えていく」とような方法と、「例えば、1000語を一気に覚えるまで、他のことはしない」というような方法です。
 計画性のある人ならば、最初の方法でもかまわないと思います。
またまた、自分自身のことを振り返ると、一気にやりましたが・・・。こつこつやるのは、苦手なもので。^^;



3.いくつ単語をおぼえれば、よいのか。
 これも、悩ましい問題です。が、具体的に、数字をあげることはできません。要は、「過去問」次第です。

 一応、最低限の目安をあげるとすると、いわゆる「必修語」という、中学生としてこれ位は覚えていて欲しいという単語が定まっていますから、これをまず覚えることです。 単語集の後ろのほうに、載っているはずです。
 それ以上は、「オプション」と考えてもいいかもしれません。

 もちろん、多ければ多いほうがよいのは、言うまでもないですけれど、単語の勉強ばかりしているわけにはいきませんから。

この項の最後に
 単語の中では、「動詞」が一番重要です。「動詞」から、まず覚えていくというのもよいかもしれません。



<熟語編>
 熟語に関しては、単語とは趣が違います。
どちらかというと、文法(問題)に近い感じかもしれません。ちょっと、例題を見てください。

例題、(  )内に入れるのに、もっとも適する語を選びなさい。
 She is good (   )playing tennis .
 @ on A of B from C at

のような問題が割と多いからです。この場合、熟語の意味を知らなくても、つながり「be good at」ということを覚えていれば正解できてしまいます。
もちろん、意味も覚えていないと通用しない場合も結構ありますけれど。

熟語では、
@つながりが一番重要。
A次に意味。
というところでしょうか。
覚え方は、文法問題のように、「問題演習の繰り返しの中で」というパターンがよいのではないかと思います。


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