4.英作文

 ここのタイトルは英作文となっていますが、取り上げたいのは、「整序英作文」です。純粋な英作文の出題数はおそらく減少傾向にあるからです。 「整序英作文」は、言ってみれば「英文解釈」の逆の作業です。英語は重要な順番に並んでいるという原則は、ここでも活用できます。



 基本パターン:「主語+動詞(主語+助動詞+動詞)から始まる」

注意が必要な例外

@命令文:主語がなく、動詞(原形)から始まる。
 ※Please、Let's も命令文の一種。

A疑問文:主語が先頭ではなくなる。
 ※疑問詞がある場合には、さらに主語の位置がずれる。


その他の注意ポイント
単語が、どういう順番に並んでいるのかを中心に見てください。

@二重に主語+動詞がある場合
(1)I think 〜:「私は〜だと思う」
<例文>私は、彼がアメリカ人の男の子だと思う。
I think he is an American boy.

(2)I hope 〜:「私は〜だと思う・希望する」
 ※この場合の「思う」は、よいことを思うという意味。
<例文>明日は、晴れると思う。
I hope it will be fine tomorrow.

(3)I'm afraid 〜:「私は〜だと思う・恐れる」
 ※この場合の「思う」は、よくないことを思うという意味。
<例文>かぜをひいたのではないかと思う。
I'm afraid I have a cold.


A分詞がある場合※F(2)もお読みください。
 前の単語の説明を、付け加えたい場合に、使うことがあります。
(1)現在分詞
<例文>
That girl is my sister.
<例文>
That girl standing under the tree is my sister.

(2)過去分詞
<例文>
This is a book.
<例文>
This is a book written in English.


B人以外が主語になる場合
※(1)(2)では、日本文には、主語が書かれていない場合が多い。
(1)There is(are)〜:「〜がある・いる」

(2)It :天気、時間、距離など
 ※It 〜 (for)・・・to――― :「・・・が―――することは、〜だ」

(3)「〜すること」
 不定詞:to〜:「〜すること」
<例文>テニスをすることは、おもしろい。
To play tennis is fun.= It is fun to play tennis.
<参考例文>
I went to the park to play tennis.
I want something cold to drink.

 動名詞:〜ing:「〜すること」
<例文>テニスをすることは、おもしろい。
Playing tennis is fun.


C言う・頼む
(1)tell(told)
<例文>私の母は、私に、もっと一生懸命勉強するようにと言った。
My mother told me to study harder.

(2)ask
<例文>私は、彼女に窓を開けてほしいと頼んだ。
I asked her to open the window.


Dgive、call、make
(1)give
<例文>彼は私に人形をくれた。
He gave me a doll.
「人と物では、人が優先!」

(2)call
<例文>私たちは、彼(のこと)をケンと呼ぶ。
We call him Ken.

(3)make
<例文>あなたは、私をしあわせにさせる(してくれる)。
You make me happy.


Ewant
(1)want:「〜が欲しい」
I want a bag made in France.

(2)want to 〜:「〜がしたい」
I want to eat many cakes.

(3)want 人 to 〜:「(人に)〜をしてもらいたい」
I want you to go there with me.


F説明が付く場合
(1)関係代名詞を使ったもの
I use a pen. It is very short.
→I use a pen which is very short.
※この場合は、関係代名詞は省略できません。

(2)関係代名詞が省略されたもの
The man whom I met yesterday is my uncle.
→The man I met yesterday is my uncle.

(3)関係代名詞とbe動詞が省略されたもの
※関係代名詞の後ろが「進行形」「受動態」になっている場合、「関係代名詞+be動詞」が省略されることがあります。
I know the girl. She is swimming in the pool.
→I know the girl who is swimming in the pool.
→I know the girl swimming in the pool.

I have a book. It was written in English.
→I have a book which was written in English.
→I have a book written in English.


G日本文(問題文)では、主語が省略されていることが多い。



それでは、実際に問題を解いてみましょう。

 以下の問題において、日本文に合う英文になるように、各単語を並べかえたとき、2番目と4番目にくる単語の番号を答えよ。

問1.母は、私にカナダ製の時計をくれました。
 @watch Ain Bme CMother Dmade Ea FCanada Ggave


<考え方>
1.まず日本文で、主語と動詞を考えます。
 「母は、くれました」→Mother gave

2.次は、「私に(くれました)」なのか「時計を(くれました)」なのかが、問題ですが「人と物では、人が優先」ですから、「私に、時計を(くれました)」の順になります。
 「母は、くれました、私に、時計を」→Mother gave me a watch

3.残りは「カナダ製」ということになりますが、これは「カナダで作られた」ということです。
 問題は、語順ですが、
 「時計」→どういう時計?→「作られた(時計)」
 →どこで(作られた)?→「カナダで」となります。

4.結果としては、
 Mother gave me a watch made in Canada.
 これは、CGBE@DAFなので、答えは、G−E と、なります。
単語を並べていく段階で、番号でCGなどと書くのではなく、単語そのものをMother gaveのように書いていき、番号は単語の上又は下に書くようにしたほうが、見た目での確認もできます。

この問題は、watchとmadeの間で、関係代名詞とbe動詞が省略されているパターンでした。


問2.私は、彼女が先月買った本を気に入っています。
 @last Athe Bshe Clike Dbook EI Fbought Gmonth


<考え方>
1.まず、主語と動詞から始めましょう。
 「私は、気に入っています」→I like 
※「気に入っています」という単語は、@〜Gの中では、like位しか該当しませんので・・・。

2.何を「気に入っている」のかというと、「本」です。
 ですから、→I like the book

3.その「本」はどういう「本」かというと、「彼女が、買った(本)」です。
 よって、→I like the book she bought 

4.残りは、「先月」だけで、last monthですね。
 結果としては、
 I like the book she bought last month.
 これは、ECADBF@Gなので、答えは、C−D と、なります。

この問題は、bookとsheの間で、関係代名詞が省略されているパターンでした。


 整序英作文を、問題作成者の立場から考えると、「短すぎると簡単なので、少し長い文にしよう」と思います。
 こんな場合には、以前書いたように「説明文」がくっついていくというパターンが多くなります。
 本来なら、関係代名詞を使うところなのですが、それではミエミエですから、「省略する」というところに、どうしても落ち着いてしまいがちになるわけです。


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