4.文学史一覧

※歌集については、成立(編集)した年代を表しているので、その中の作品は、それ以前に書かれた物も収録されていることもあります。

※作者名については、作者もしくは撰者・編者を指しています。
 なお、作者名がないものは、不祥ということです。

※ここでは、必要最小限のことに、しぼってありますので、その点は、ご承知おきください。


<奈良時代>
・古事記=歴史書=太安万侶 
 〜現存する最古の書(稗田阿礼が語った神話を記録)
・日本書紀=歴史書=舎人親王
・万葉集=歌集=大伴家持

 〜現存する最古の歌集。漢字のみで表記されている。
 〜額田王、柿本人麻呂、山上憶良、山部赤人、大伴家持が代表的歌人
 〜額田王:「にぎた津に舟乗りせむと月待てば潮もかなひぬ今はこぎ出でな」

<平安時代>
・竹取物語=物語=
 〜物語の祖と言われている
・古今和歌集=歌集=紀貫之
 〜六歌仙:代表的な歌人6人を指す
・伊勢物語=物語=
 〜在原業平が主人公 「むかしをとこありけり・・・」
・土佐日記=日記=紀貫之
 〜仮名で書かれている。女性のふりをして書かれている。
 〜「をとこもすなる日記をいふものを、をんなもしてみむとするなり」
・蜻蛉日記=日記=藤原道綱の母
・枕草子=随筆=清少納言

 〜「春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎわ・・・」
・源氏物語=物語=紫式部
 〜「いづれの御時にか女御・更衣あまたさぶらひ給ひけるなかにいとやむごとなき、・・・」
・更級日記=日記=菅原孝標の女(むすめ)
・今昔物語集=説話=
 
 〜説話というのは、物語を通して仏教の教えを伝えようとするものです。

<鎌倉時代>
・新古今和歌集=歌集=藤原定家
・方丈記=随筆=鴨長明

 〜「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。」
・小倉百人一首=歌集=藤原定家
 山部赤人:「田子の浦に(ゆ)、うち出てみれば白妙の富士の高嶺に雪は降りつつ」
 柿本人麻呂:「あしびきの山鳥の尾のしだり尾の長々し夜をひとりかも寝む」
 持統天皇:「春過ぎて夏来にけらし白妙の衣干すてふ天の香具山」
・平家物語=軍記物語=
 〜盲目の琵琶法師による語り
 〜「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり。」
・十六夜日記=日記=阿仏尼
・徒然草=随筆=吉田兼好

 〜「つれづれなるままに日暮し硯にむかひて心うつりゆくよしなしことを、・・・」

<室町時代>
・風姿花伝=評論=世阿弥
 〜能の奥義書
・御伽草子=物語=
 〜いわゆるおとぎ話のこと。一寸法師が代表例

<江戸時代>
・好色一代男=浮世草子=井原西鶴
 〜浮世草子とは、写実的な小説のことです。
・日本永代蔵=浮世草子=井原西鶴
・世間胸算用=浮世草子=井原西鶴
・奥の細道=紀行=松尾芭蕉

 〜「月日は百代の過客にしてゆきかふ年も又旅人なり。」
 〜「古池や蛙飛び込む水の音」
 〜「夏草やつはものどもが夢の跡」
・曽根崎心中=浄瑠璃=近松門左衛門
・心中天網島=浄瑠璃=近松門左衛門
・雨月物語=読本=上田秋成

 〜怪談。読本というのは、小説の一種です。
・玉勝間=随筆=本居宣長
・源氏物語玉の小櫛=評論=本居宣長
・古事記伝=評論=本居宣長

 〜国学(=日本古典の研究)
・新花つみ=俳諧=与謝蕪村
・東海道中膝栗毛=滑稽本=十返舎一九
・南総里見八犬伝=読本=曲亭(滝沢)馬琴
・おらが春=俳諧=小林一茶

 〜「やれ打つな蝿が手をすり足をする」
 〜「やせ蛙負けるな一茶これに有り」
 〜「雀の子そこのけそこのけお馬が通る」

<明治時代>
・学問ノススメ=評論=福沢諭吉
 〜「天は人の上に人をつくらず。人の下に人をつくらず。」
・小説神髄=評論=坪内逍遙
・浮雲=小説=二葉亭四迷

 〜初の言文一致体(口語体)での作品
・舞姫=小説=森鴎外
 〜ドイツ留学時のドイツ女性との恋愛の物語
・五重塔=小説=幸田露伴
・たけくらべ=小説=樋口一葉

 〜幼なじみの少女と少年との恋
・金色夜叉=小説=尾崎紅葉
・ホトトギス=歌集(雑誌)=正岡子規

 〜「柿くへば鐘がなるなり法隆寺」
・若菜集=歌集=島崎藤村
・破戒=小説=島崎藤村
・みだれ髪=歌集=与謝野晶子

 〜作者と与謝野鉄幹との恋愛過程で生み出されたもの
・吾輩は猫である=小説=夏目漱石
・坊っちゃん=小説=夏目漱石

 〜「親譲りの無鉄砲で、子供の時から損ばかりしている。」
・草枕=小説=夏目漱石
 〜「山路を登りながらこう考えた。智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。」
・三四郎=小説=夏目漱石
・一握の砂=歌集=石川啄木
・悲しき玩具=歌集=石川啄木

 〜「はたらけど、はたらけど猶わが生活(くらし)楽にならざり、ぢと手を見る」
 〜「東海の小島の磯の白砂にわれ泣きぬれてかにとたはむる」

<大正時代>
・赤光=歌集=斉藤茂吉
・こころ=小説=夏目漱石
・道程=詩集=高村光太郎
・山椒大夫=小説=森鴎外
・道草=小説=夏目漱石
・羅生門=小説=芥川龍之介
・鼻=小説=芥川龍之介
・月に吠える=詩集=萩原朔太郎
・友情=小説=武者小路実篤
・暗夜行路=小説=志賀直哉
・春と修羅=詩集=宮沢賢治

 〜代表的な詩「永訣の朝」「雨ニモマケズ」
・伊豆の踊り子=小説=川端康成

<昭和時代>
・河童=小説=芥川龍之介
・夜明け前=小説=島崎藤村

 〜「木曽路はすべて山の中である。」
・山椒魚=小説=井伏鱒二
・蟹工船=小説=小林多喜二
・山羊の歌=詩集=中原中也
・雪国=小説=川端康成
・銀河鉄道の夜=小説=宮沢賢治
・智恵子抄=詩集=高村光太郎
・細雪=小説=谷崎潤一郎

・斜陽=小説=太宰治
・人間失格=小説=太宰治
・走れメロス=小説=太宰治
・二十四の瞳=小説=壺井栄
・太陽の季節=小説=石原慎太郎
・金閣寺=小説=三島由紀夫
・黒い雨=小説=井伏鱒二
・放浪記=小説=林芙美子


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