指導室 2.面 接 室
その1.面接の比重
:面接は、どの程度重視されるか、ということです。
学科試験+面接というパターンにおいては、ほとんどは学科試験のデキで決まると思われます。
そして、合格ラインぎりぎりのところにいる人の合否判定に際して、面接は重要なものになってくるでしょう。
以下は、ある看護学校の教員のコメントです。
「点数が同じ位の人だったら、はきはきしている人をとります。」
これは、点数で差がついている場合には、面接だけを理由に合格させられないということを、逆説的に表しています。
※学科のデキが良かったら、面接はどうでもよい、と言いたいわけではなく、そのような場合でも、全力で臨むべきだと思います。
ただ、怖れたり、不安がったりすることは、必要ないということです。
※学校によっては、必ずしも、上記のような評価基準ではないかもしれません。
あくまで、参考例として、とらえていただければと思います。
※学科試験がない場合には、面接の比重は当然高くなります。
その2.面接時の服装
:ここでのアドバイスは簡単なことです。
「気になるのであれば、無難な服装で臨む。」
それだけのことです。
要は、失礼のない服装であれば、ということです。
以下は、やはり、ある看護学校の教員のコメントです。
「清楚な感じがするものでありさえすれば、かまわない。」
※ちなみに、自分の経験では、セーターにチノパンで、大丈夫でした。
ただ、お勧めはしません。^^;
わざわざ、リスク(?)を冒す必要はないからです。
その3.よくある質問
:自分なら、どう答えるか、よく考えておきましょう。
※順不同です。
・看護を目指す理由。看護志望のきっかけは何か。
・本学の志望理由。
・併願校について。
・長所、短所について。自分はその短所で困ったことはあるか。
・高校での部活動、またそこから学んだことは何か。
・高校生活でいちばん印象に残っていることは何か。
・得意科目について。
・ボランティアをしたことがあるか(あるならいつ、どのようなことをしたか)。
・脳死者の臓器移植に賛成か反対か、またその理由。
・ドナーカードを自分は持ちたいと思うか。
また、ドナーカードはどこで手に入るか。
・障害者のいない社会はすばらしいか。またその理由は何か。
・自己PR。
・(志望理由で保健婦や助産婦についてふれた場合)
保健婦(助産婦)とはどんな仕事だと思うか。
もし保健婦(助産婦)になれず、看護婦として働かなければならない場合はどうするか。
・友達やいろいろな人間関係の中で難しいところはどこか。
・人間とはどういう生き物であると考えるか。
・看護の仕事は非常につらいがやっていけるか。
・看護の仕事は時間が不規則で重労働だが、体力は大丈夫か。
(年齢的なことも含めて)
・高校の調査書の内容について。
例えば、欠席や遅刻が多い場合の理由など。
・両親は看護の道に進むことに対して賛成か。
・ストレス解消法について。
・卒業後はどうしたいか。
・どのような病院で働きたいか。
・現在の医療が抱える問題について述べて下さい。
・結婚したあとでも仕事は続けるか。
・最近興味のあったニュースは何か。
それについてどう思うか。
・この1年間でいちばんつらかったことは何か。
・学科や小論文の出来はどうだったか。
・学費や生活費の問題は、大丈夫か。
・(子供がいる場合)
子供の世話は大丈夫か。
子供が病気になった場合は、どうするのか。
・若い人といっしょに、うまくやっていけるか。
・モットーとしていること。
・最近読んで、感銘をうけた本について。
※注目すべき問題としては、
脳死問題・臓器移植・ドナーカード
介護保険
東海村放射能漏れ事故や台湾大地震に関連して、災害医療
などが取り上げられる可能性もあります。
自分なりに、情報収集をして、知識として覚えておきましょう。
その4.面接TIPS集
:思いつくまま、書いてみます。
・面接官のどこを見るべきか。
話すまたは話しを聞くときには、「相手の目を見て」と言われますが、日本では、これが失礼に当たる場合もあります。無難なのは、相手ののどあたりを見るということです。この辺だと、ちょうどよい目線になります。
・細かいミスは気にしない。
例えば、ノックの回数、どこでお辞儀をするのか、椅子に座るタイミング、等々。
もちろん、スムーズに運べば、良いのですが、そうでなくても、大丈夫です。
こんな細かい理由で、不合格になったりはしません。
そんなことよりも、質疑応答に集中しましょう。
・はきはきと話す。
内容にもよりますが、自信なさそうに、ぼそぼそと、うつむきがちに話すことだけは、やめましょう。
そのようなことが、プラス評価になるとは、とても思えませんので。
「相手を見て、いつもより、10%増量位の大きめの声」
こんな感じで、十分です。
・回答は短めに。
質問に答えるとき、途中でつまってしまうことはよくあります。
また、必要以上に自説を長々と弁じてしまう場合もあるかもしれません。
それらを防ぐには、ほんのちょっと説明不足(ほんのちょっとというところがポイント)の状態で切り上げます。
それに対して、つっこまれれば、今度は本格的に、答えればいいわけです。
面接官が必要だと思ったものは、さらに質問してくるでしょうし、
あまり必要を感じないものに対しては、それ以上質問をしてこないでしょうから。
・知ったかぶりはしない。
「〜について、知っていますか。」
このような質問には、知らなければ、正直にそう言いましょう。
知ったかぶりをしても、つっこまれるだけですから。
「〜について、どう思いますか。」
これは、あなたの考えを聞かれていますから、
知らないという答えはできません。
自分なりの考えを話しましょう。
・変な質問、突飛な質問。
何だこれは、と思うような質問が出てくる可能性があります。
これは、答えの中身よりも、
「思いがけない事態に、どう対処するのか」を見ている
そう考えてください。
ですから、正解がきちんとあって、それを答えなくてはならない、というものではありません。
その5.最後に
面接において、一番大事なのは、言いたいことを自分勝手に話すということではなく、わかってもらおうとすること、です。
どう話せば、自分の言いたいことが、相手にとって理解しやすくなるのか、という観点を忘れないようにしてください。
また、面接の場合、どうしても主観的な要素が入ってきてしまいます。
要するに、相性の問題ということです。
ですから、もし、面接で落ちてしまっても、あなたの人格や性格が、否定されたというわけではありません。
そのことは、頭の片隅にでも、置いていただければと思います。
びびることなく、侮ることなく、自分のできることを精一杯やってみてください。
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